単にrsyncで差分バックアップするという話です。 2012年ごろに見つけた方法を引っ張り出して話します。 が、私がお世話になっている方法がググってもあまりメジャーじゃなかったので紹介させてください。 コマンド自体はここにあったものです http://www.maruko2.com/mw/rsync_%E3%81%A7%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AA%E3%81%AE%E5%90%8C%E6%9C%9F%EF%BC%88%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%EF%BC%89

1. rsyncで
差分バックアップしようぜ！
東海道らぐ 2016年2月@名古屋
H.Hiro (@h_hiro_)

2. 自己紹介
H.Hiro
 札幌出身、今年度から名古屋に住んでる某研究員
 東海道らぐ参加は2回目です
 こんなアイコンです→
 最近は仕事ではC++、
趣味ではRubyを
書くことが多いです

3. 差分バックアップを
 しているよ！という方
 rsyncでしているよ！という方
 「差分バックアップって何？」という方
 「rsyncって何？」という方

4. 今回の話
 単にrsyncで差分バックアップするという話です
 2012年ごろに見つけた方法を引っ張り出して
話します
 が、私がお世話になっている方法がググってもあまり
メジャーじゃなかったので紹介させてください
 コマンド自体はここにあったものです
http://www.maruko2.com/
mw/rsync_でディレクトリの同期（バックアップ）

5. そもそも、自分がしたかったこと
 パソコンのファイルを、以前は全ファイル
バックアップしていたけど
HDD容量がつらくなってきたので
差分バックアップにしたかった
 Windowsのバックアップ機能では、イメージファイル
として保存されるのだが、それよりはファイル単位で
バックアップしたかった
 Windowsのフリーウェアを見てみたが、微妙に
不満な点が多かった

6. 要求仕様
 差分バックアップ
 「最新版」フォルダには、最後にバックアップを取った
ファイル構成でファイルが入っていてほしい
 最新版と異なるファイルは、日付の付いたフォルダ
（「20160220」とか）に入れたい
自分が探したフリーウェアだと、
「あるファイルを削除してからバックアップを取っても、
最新版フォルダにそれが残る」というものばかりだった

7. 要求仕様を満たさない例
パソコン内
バックアップ結果
2015.12.20
ファイルA
ファイルB
2016.01.20
ファイルA
ファイルB（新）
ファイルC
最新版
ファイルA
ファイルB
最新版
ファイルA
ファイルB（新）
ファイルC
2016.01.20
ファイルB
2016.02.20
ファイルA
ファイルB（新）
ファイルD
最新版
ファイルA
ファイルB（新）
ファイルC
ファイルD
2016.02.20
ー

8. 欲しかった挙動の例
パソコン内
バックアップ結果
2015.12.20
ファイルA
ファイルB
2016.01.20
ファイルA
ファイルB（新）
ファイルC
最新版
ファイルA
ファイルB
最新版
ファイルA
ファイルB（新）
ファイルC
2016.01.20
ファイルB
2016.02.20
ファイルA
ファイルB（新）
ファイルD
最新版
ファイルA
ファイルB（新）
ファイルD
2016.02.20
ファイルC

9. 実現方法
rsync -avz --delete
--backup --backup-dir=/backup/dir/YYMMDD
/source/dir /backup/dir/最新版
ここはお決まりのオプション
 a: アーカイブ時の便利オプション
シンボリックリンクはシンボリックリンクとしてコピー、
タイムスタンプや権限等は丸ごと移行
 v: 途中経過を表示
 z: 圧縮（ネットワーク越しの場合）

10. 実現方法
rsync -avz --delete
--backup --backup-dir=/backup/dir/YYMMDD
/source/dir /backup/dir/最新版
これも、バックアップを取るならお決まりのオプション
 rsyncでは、コピー元にあってコピー先にない
ファイルは基本的に保持される。
--deleteがあるとこれが保持されず削除される。

11. 実現方法
rsync -avz --delete
--backup --backup-dir=/backup/dir/YYMMDD
/source/dir /backup/dir/最新版
ここが今回一番大事！
このオプションがあると、「今回のコピーによって
変更されようとしているファイルを、
バックアップディレクトリに保存しておく」となる

12. デモします
mkdir source
notepad source/1.txt
rsync -avz --delete ¥
source recent
notepad source/1.txt
rsync -avz --delete ¥
--backup --backup-dir=backup1 ¥
source recent

13. ところで
さっき「ググったら、いま使っている方法がメジャー
じゃなかった」と話したけど、
じゃあググってメジャーだった方法って何なのか
↓
ハードリンクを作る方法

14. 差分バックアップ（ハードリンク利用）
rsync -avz --delete
--link-dest=/backup/dir/1世代前の版
/source/dir /backup/dir/最新版
コピー元と同じファイルが、変更されずに
「1世代前の版」にあれば、「最新版」にはそれへの
ハードリンクができる
参考：
http://www.ikuwow.com/blog/rsync-autobackup/
http://qiita.com/takke/items/ec7b11ea14301c799293

15. デモします
※Windowsでも動きます（NTFS必須）
mkdir source
notepad source/1.txt
rsync -avz --delete source backup1
rsync -avz --delete --link-dest=backup1 ¥
source backup2
notepad source/1.txt
rsync -avz --delete --link-dest=backup2 ¥
source backup3

16. 補足：Windowsにおけるrsync
 mingwやcygwinでrsyncをコンパイルしたものが
配布されています
 ただ、mingwのほうがどうも挙動がおかしかった
（忘れました。日本語ファイル名だっただろうか？）
 私は「cwrsync」を使ってます
https://www.itefix.net/cwrsync
cygwinでコンパイルされている
ただしcygwin自体のインストールは不要

17. 結局
 ハードリンクの方式は、見た目はどの世代の
ディレクトリを見ても、バックアップを取ったもの
そのものに見えるのが強み
複数のファイルから構成されるプログラムなどを
バックアップするときは強み
 ただ、私個人のファイルをバックアップするという
観点では、「ファイルがどう変更されたか」が
見えていたほうがいいので、変更する予定はないです

18. おわりに
 rsyncで差分バックアップも楽々
 Linuxその他Unix系OSはもちろん、
Windowsでも利用可能！