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カテコラミン類
基本の”き”
薬剤師/看護師 1-2年目 対象
薬剤師 佐野
CPRの基本
• CPRは2分サイクル
• 2分毎に波形確認
• 2分毎にCPRを交代
• 5cm以上、6cm未満の深さ
• 4分ごとにアドレナリン投与
• ショック適応であれば実施
ACLS
https://youtu.be/90q19HTvm28?t=1m15s
患者は
背部痛と胃部不快感を訴えて、救急外来を受診した女性
看護師の訪室時に徐脈となり、意識消失/Vfとなった
すぐさまCPR開始およびコードブルーを発令した
*英字幕です…
ERで使用する薬剤
• アドレナリン : ボスミン エピネフリン
• ドパミン : イノバン ドパミンキット
• ドブタミン : ドブポン
• ノルアドレナリン : ノルアドリナリン
• フェニレフリン : ネオシネジン
• イソプレナリン : プロタノール
β作用 α作用
強心薬 血管収縮薬
β1=心拍数⇑ 心収縮力⇑
β2=血管/気管平滑筋⇓
α1=血管平滑筋⇑
α2=血管平滑筋⇑
β作用 α作用
強心薬 血管収縮薬
β作用 α作用
合成カテコラミン 内因性カテコラミン 合成

カテコラミン
強心薬 血管収縮薬
β作用 α作用
強心薬 血管収縮薬
合成カテコラミン
純粋なβ作動薬

1回拍出量⇑心拍数⇑ = 心拍出量⇑⇑
1A/10mL生食:1mLづつ使用
*あまり使用されない
プロタノール
β作用 α作用
合成カテコラミン
強心薬 血管収縮薬
1回拍出量のみ増加

α血管収縮+β2血管拡張➾打ち消し
心拍数/血圧は変わらない
血圧が維持されていれば

3-5γで使用する
*DOAとの併用は血圧を維持するため
DOB
β作用 α作用
内因性カテコラミン
強心薬 血管収縮薬
投与速度で作用が変わる

<5γ:腎血流量⇑
5-10γ:心拍出量⇑血管抵抗⇑
10γ<:心拍出量⇑血管抵抗⇑⇑
血圧維持目的にのみ使用

ショックのときには使用しない
DOA
β作用 α作用
内因性カテコラミン
強心薬 血管収縮薬
蘇生行為のときに

1回1A 3-4分ごと

波形確認が2分毎のため

通常は4分毎に使用される
持続投与はまれ

メイロンのルートでは力価⇓
アドレナリン
β作用 α作用
内因性カテコラミン
強心薬 血管収縮薬
強力な血管収縮薬

ショックのときに使用する
できるかぎりCVルートから投与
3A/50mL : 0.04-0.3γ
長期投与は手指足趾の壊死をおこす
ノルアドリナリン
• 末梢からNAdを0.2γで投与
• 前腕の一部で血色不良、冷
感が強い状態
• 橈側皮静脈…
• 抹消ルートからでも投与で
きるが、出来る限り太い血
管を使用する
β作用 α作用
合成

カテコラミン
強心薬 血管収縮薬
超強力な血管収縮薬

神経学的疾患、麻酔薬で血管が開いたときに使用する
OPE時のみ使用
1A/10mL:1mLずつ投与
ネオシネジン
作用受容体 循環の変化 T1/2

(min)薬品名 α β1 β2 HR MAP CO SVR
プロタノール +++ +++ ++ =/+ ++ =/- 2
DOB + +++ ++ + =/- ++ =/- 2
DOA <5γ + + + = = = =
9DOA 5-10γ ++ ++ + + + + +
DOA >10γ +++ ++ + ++ ++ ++
アドレナリン +++ ++ + ++ + ++ + 1
ノルアドレナリン +++ + + =/+ ++ +/- ++ 1
ネオシネジン +++ = ++ - ++ 3
HR : 心拍数
MAP : 平均動脈圧
CO : 心拍出量
SVR : 体血管抵抗
カテコラミン類 基本の『き』
ドブタミン
アミオダロン
心室細動
心室粗動(脈なし)
アミオダロン
• 電気的除細動抵抗性の心室細動あるいは無脈
性心室頻拍による心停止 の場合
• 2A(6mL)/5%Glu20mL で投与可能

骨髄路OK!
• さらに Vf もしくは 脈なしVT が継続する場合
• 1A(3mL)/5%Glu20mL を追加で投与
γガンマの計算
γ = μg/kg/min
1分間に体重あたりどれくらいの量が投与されるか
0.3%製剤を考える
• 0.3% = 3mg/mL 患者の体重 = 50kg
• これを 5mL/hr で投与すると
• γ = 3000μg/mL ÷ 50kg × 5mL/hr ÷ 60min/hr

= 5γ
• 0.3%製剤を50kgの体重に投与すると、

投与速度 = γ となる
0.3%製剤を考える
• 患者の体重 = 60kg になったら…
• 体重 = 60kg = 50kg × 1.2
• 5γ = 5mL/h × 1.2 = 6mL/h
• 体重の増減は50kgを中心に考えれば良い
ノルアドレナリンは?
• 3A/50mL = 3mg/50mL = 60μg/mL 体重50kg
• 5mL/hr(体重の1/10)で考える
• γ = 60μg/mL ÷ 50kg × 5mL/hr ÷ 60min/hr

= 0.1γ
• 3mg/50mLの組成は、

体重の1/10の速度で0.1γ
5A/50mLで考えると
• 5A/50mL = 5mg/50mL = 100μg/mL
• 濃度は 3A/50mL (60μg/mL)の 5/3 倍
• 投与速度は 3A/50mL の 3/5 倍にすればOK
• γ = 100μg/mL ÷ 50kg × 3mL/h ÷ 60min/h

= 0.1γ
• 組成が異なる場合は、3A/50mL から考えると簡単
まとめ
• 心肺蘇生時 ➾ アドレナリン
• 敗血症性ショック ➾ ノルアドレナリン
• 心収縮力UP ➾ ドブタミン
• 麻酔時に使用 ➾ ネオシネジン

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