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CHI2017-2018分析 + CHI2018速報
2018.5.2
cvpaper.challenge
鈴木 亮太,福原 吉博
板摺 貴大,山本 晋太郎
HomePage: http://hirokatsukataoka.net/project/cc/index_cvpaperchallenge.html
論文まとめスライド: https://cvpaperchallenge.github.io/cvpaper.challenge/
CHIを一言で言ってみると
•“何でもアリ”
インタラクショントップカンファレンス
他分野の「まじめにやってもこのネタ通らんだろ」ネタが通せる可能性のある学会
自己紹介
• cvpaper.challenge
– コンピュータビジョン分野の今を映し,創り出す挑戦するインターラボ・
グループです.論文読破・まとめ・アイディア考案・議論・実装・論文執筆
(・社会実装)に至るまで広く取り組み、あらゆる知識を共有しています.
2018年は「トップ国際会議/学術論文誌に20本以上投稿する」を目標に
活動しています。
• cvpaper.challenge CHI調査グループ
– 鈴木亮太 産総研コンピュータビジョン研究グループ ポスドク
– 福原 吉博 早稲田大学森島研究室 D1
– 板摺 貴大 早稲田大学森島研究室 M2
– 山本 晋太郎 早稲田大学森島研究室 M2
調査目的
• コンピュータビジョン(CV)研究者がCHIに論文を通すには?
•
• 研究者にとって,新たな視点の創出の上で異分野の学会に発表することは重
要です.しかし,同時に該当分野の研究者にインパクトを与えうる論文作成のノウ
ハウを得にくく,バリアがあるのも実情です.
• 昨今のCV分野では,深層学習が隆盛し,物体認識・検出・セグメンテーションと
いったCVのあらゆるタスクに対する技術が大きく高度化しています.このような成
熟したCV技術のアプリケーション先として,ヒューマン・コンピュータ・インタラクシ
ョン(HCI,人とコンピュータのコミュニケーション)は,人の行動を詳細に計測可能
なCVと親和性が高く,CV研究者も活躍できる分野であると考えます.
• HCIのトップカンファレンスであるCHIに論文を通す方法を模索すべく,CV研究
に造詣のあるcvpaper.challengeのメンバーが,CV研究者の視点からCHIの論文
を読み,その特徴をピックアップしました.
目次
1. CHI基礎知識
2. CHI2017論文ピックアップ
3. CHI2017総論
4. CHI2017気づいたこと
5. CHI2017ベストペーパーピックアップまとめ
6. CHI2018速報
– CHI2018ベストペーパー総論
– CHI2018ベストペーパー論文まとめ
CHI基礎知識
CHI(かい)?
• インタラクション系のトップカンファレンス
– The ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systems
• 名前はヒューマンファクター.Human-Computer Interactionの学会
• 多分野に手を広げ,トップカンファレンス化
• ACM SIGCHI(さいはい しぐかい)の主催
• Special Interesting Group on Computer-Human Interaction
• Japan Boardもある
• 2017年は600本
– 採択率20%強
• Games and Play
• Design
• Interaction Techniques, Devices and Modalities
• Understanding People: Theory, Concepts, Methods
• Engineering Interactive Systems and Technologies
CHIの守備範囲
• Human-Computer Interaction, Diversity
– “CHI is a place where researchers and practitioners gather from across the
world to discuss the latest in interactive technology” - CHI2018
– “The open exchange of ideas and the freedom of thought and expression are
central” - CHI2017
– HCIなら何でも!
– 査読時に選べるSubcommittee
• User Experience and Usability
• Specific Application Areas
• Health, Accessibility and Aging
• Privacy, Security and Visualization
• Interaction Beyond the Individual
発表区分
– Paper, Note, LBW, Video, Demo
– Paper, Note
• Paper:通常.最大10ページ
• Note:よりContribution(提案の重要性,分野への貢献度)に重点を置いた,Paperと
同レベルのカテゴリ.最大4ページ>CHI2018では廃止,4ページのPaperを許可す
ることに
– LBW (Late Breaking Work)
• いわゆるWork in progress,ポスター
– Video
• ビデオのみ発表
– Interactivity
• デモ発表
• Paperでも同時発表可能(むしろ推奨)
査読
– 3人以上のレビュワー
• 投稿時に選択した2つのSubcomitteeの中から選出
– Desk Rejectionもある
• HCIについてのコントリビューションにフォーカスしてない
– UIだけどHCIとして評価してない,とか
• 論文としてちゃんと書いてない
– 必要な実験をしてない/書いてない,構成が汚い…
subcomittee
paper
paper
paper
reviewer
reviewer
reviewer
reviewer
reviewer
reviewer
reviewer
reviewer
reviewer
SIGCHI
選定
スケジュール(CHI2017の場合)
– All deadlines are at 20:00 EDT/EST on the date shown.
– Submission deadline: September 14, 2016.
Title, abstract, authors, subcommittee choices, and other metadata.
– Materials upload deadline: September 21, 2016.
– Reviews sent to authors: November 18, 2016.
– Rebuttal period closes: November 23, 2016.
– Decision notification: December 12, 2016.
– Reviews released: December 14, 2016.
– Camera-ready papers due: January 6, 2017.
– Video Previews deadline: January 13, 2017.
CHI論文ピックアップ
Scalable Annotation of Fine-Grained Categories Without
Experts
• 第4著者にLi Fei-Fei (第1著者はアフロの人)
– ここが面白い
人工物のカテゴリ名が必ずしも見た目に
依存していないことから、見た目ベースの
カテゴライズに変換する必要があるという
問題提起。
arXivに上がっている(これはOK?)
– 補足情報(リンクとか)
論文
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3025930
著者ホームページ
http://ai.stanford.edu/~tgebru/
動画
https://www.youtube.com/watch?v=YLnVnvk-OtA
– 概要
見た目ベースのきめ細かいカテゴライズ
をクラウドソーシングで行う論文。
テキストベースの情報から作成したグラフ
元に、クラウドソーシングを利用して、見た
目ベースのカテゴライズを行う。
What Can Be Predicted from Six Seconds of Driver Glances?
– ここが面白い
著者は機械学習の研究をしている。
CV分野では識別したい対象があってそれ
に対する手法を提案するのに対し、識別
対象そのものを調査するという研究。
– 補足情報(リンクとか)
著者のホームページ
http://lexfridman.com/
発表動画
https://www.youtube.com/watch?v=FKRuxvm6Hl
A
• CVにおける問題を調べるタイプの論文
– 概要
ドライバーの視線動画から検出可能なも
のを調べる論文。
ラジオの調整、疲労、ウインカー忘れや会
話などの検出精度が高いことが明らかに
なった。
Interactive Vectorization
– ここが面白い
注目すべきポイント
CV・IPなどの精度至上主義の分野ではベ
ストペーパーにはならものを、CHIでベスト
ペーパーにしている論文。
ユーザスタディの評価方法
初心者 using 提案システム
vs 専門家 using 既存商用システム
– 補足情報(リンクとか)
論文
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3025872
著者ホームページ
http://www.clairexie.org/
動画
https://www.youtube.com/watch?v=0_Tf3lzc8pc
• 手法はIP・評価はHCIなベストペーパー
– 概要
ラスタ画像入力をインタラクティブに
ベクタ画像化する手法。
初心者でも短時間でベクタ画像を作成でき
る。
People with Visual Impairment Training Personal Object
Recognizers: Feasibility and Challenges
– ここが面白い
本人(盲目)が撮影した画像群を学習して
いるため、一般の物体認識よりも精度が
向上するのはほぼ自明。(確実に良い結
果が出ることを見越してテーマを選んでい
ると思われる。)
– 補足情報(リンクとか)
論文
https://www.cs.cmu.edu/~jbigham/pubs/pdfs/2017/
personal-object-recognizers.pdf
著者のホームページ
https://terpconnect.umd.edu/~hernisa/
• テーマがローカルな(ターゲットが狭い)論文
– 概要
視覚障害を持つ人が使用するための物体
認識アルゴリズムを実装。視覚障害者自
身がが撮影した画像を用いて転移学習。
15クラスの分類問題で既存の一般物体認
識手法よりも高精度を達成。
Monster Appetite: Effects of Subversive Framing on
Nutritional Choices in a Digital Game Environment
– ここが面白い
• いじわる的表現で関心を下げる(ネガ
ティブフレーミング)という視点
• 肝であったネガティブ表現の有効性は
否定されてしまったが,通っている.
• 万人受けを狙ったUIによる文化差の
低減
– 補足情報(リンクとか)
論文
people.dbmi.columbia.edu/~olm7003/papers/pn4957
-hwangA.pdf
動画
https://www.youtube.com/watch?v=-jubohMc4HA
• 実践的なUI,結果が悪くても通っている論文
– 概要
健康な食事を選ぶ訓練のためのゲーミン
グツール.悪い食事にはネガティブな表現
をつけて(キャラクターの肌色が悪くなる)
,悪い食事を選ばないように仕向ける.
CHI分析総論
他分野研究者も,CHIを研究しよう
• 論文を通すノウハウが詰まっている!?
– 数字で語れないContributionの主張,Issueの重視
• 新手法提案>数値改善 は絶対視されない
• 数値に表せない分,評価の妥当性の主張が難しい!!
– 新たな知見を生む実験方法・分析
• CHIに通る研究は実験のやり方がうまい
– 時には失敗談も
• 論文構成が素晴らしい?
– その時々で十分成熟した技術を使って,HCI研究
• 枯れた技術の水平思考
• 新視点の開拓の訓練になる
CHIの特徴
• ユーザースタディがメジャー
– 「新しい発見」「面白い発見」にフォーカス
• Interesting + Funny,見た目の面白さも重要
• 人間行動のモデル化といったContributionもある
– サーベイの重要性
• 広範囲な分野でのサーベイが有効
– 心理学とか
– 「常に変化する物の一点を観察」「変化しにくい物を観察」
• 市場調査(前者)がメジャーとみられる向きがあるらしい
• 追調査しにくいもの(時事ネタ等)も多い
CHI2017まとめポイント
• CV研究者から見たCHI,CV研究者がCHIに通すには?
メンバーがそれぞれ以下の観点について論文を読み,
まとめました.
– CV x CHI
– ベストペーパーを取る方法
– ローカル(ターゲットの狭い)論文まとめ
– 結果が悪い系論文まとめ
視点1: CV×CHI
マインドは異なるがCV研究者も出して通せる
- CHIでは手法自体に新規性があるものが少ない
- CV→DNNばかり : CHI→SVMなど以前から使われていた手法
- CV→提案手法の優位性を示す : CHI→実験から何か発見をする
- 評価方法の違い
- CV→精度比較重視 : CHI→ユーザースタディが多い
- arXiv
- 基本的にarXivには上がらない
- CVやMLの研究者には上げてる人がいる模様 (e.g. F〇i-Fe〇, Li)
視点2: ローカルな (ターゲットの狭い) 研究
実用性に説得力が持たせられるテーマの選択が重要
- ターゲットが狭い代わりに問題設定は比較的明確(単純?)
- 既存の問題を対象としているものが多い
- 対象が広い一般の問題に対して、特定の領域で解決法を提案
- 結果が確実によくなる領域を上手く選択?
- 問題は既存でも、実用性や解決法の新規性を主張する(評価は定性的
なものが多い)
- ユーザースタディーは少人数でも大丈夫(5 ~ 15人程度)
- 特に心理・医療系は3人程度でも可
- 対象や実験の方法は詳細に書く
- 結果の分析はしっかりと行う必要がある
視点3: ベストペーパーを取る方法
今後のCHIの研究する人が読むべき論文にする
以下の4つのうち少なくとも1つは満たしていなければならない
- 堅実さ
- 技術的な貢献がある
- 意外性
- 誰も思いつかなかったアイデアと妥当性の評価がある
- 見た目の良さ
- デモのクオリティが高い
- 評価もしっかりしている
- 今後の研究の方向性の提唱
- 現在の研究への警笛を鳴らす
- まだ未開な分野の方向性を決める
視点4: 結果が悪い論文
• 視点の面白さ+有用な評価があるかが高評価
– 結果が分かりやすい
• 結果自体が分かりやすい研究ネタ
• 結果をわかりやすく書く
– 例)節タイトル=結果サマリ
– 上手く悪い結果を隠している!?
• フォーカスを悪い結果からずらして(特にHF方面に),かつ強烈に主張?
– (あれば)コンテンツをちゃんと作ったことも重要
• これに対する弱点があれば,その考察をちゃんとやる
– 知見について,明確に書く
– 将来展望を明確に書く
• こうすれば絶対うまくいくだろう,までの展望の考察が必要?
CHI2017 気づいたこと
目的の違い
• CHIでは実験から新たな発見を目的とする
– 同じ著者が異なる学会で発表した研究との比較
Fridman et al., “What Can Be Predicted
from 6 seconds of Driver Glances?”CHI
2017
概要
-ドライバーの視線映像から予測可能な 情報
を調査する研究
目的
-視線映像と相関がある情報は何か調べる
=ある手法を用いて解決可能な問題を調査
精度
-他の手法を使うことで精度は向上可能 (ベ
ストではない)と認める
Fdidman et al., “Driver Frustration Detection
from Audio and Video in the Wild” IJCAI
2016
概要
-ドライバーのフラストレーションを検出 する研
究
目的
-フラストレーションの検出精度を向上する
=問題があってそれを解決する方法を提案
精度
-具体的な数字を示すことで精度をアピール
評価方法
• ユーザースタディによる評価が多く取り入れられている
– Ilisescu et al., “Responsive Action-based Video Synthesis,” CHI2017
概要:アクション(キーボードのタイピングなど)に対応した動画を合成する
評価方法:
• 既存手法との比較
• 他のツール(e.g. AfterEffects)とのユーザーの作業時間の比較
• アーティストにシステムを紹介し,コメントをもらう
– Higuchiet al., “EgoScanning: Quickly Scanning First-Person Videos with Egocentric Elastic
Timelines,” CHI2017
概要:一人称視点動画から特定のシーン(動いている、人が写っているなど)以外を早送りする
評価方法:
• ユーザーにタスク(特定のシーンを探すなど)を与え,作業時間やアンケートで評価
テーマの選択
• 結果がよくなる様に上手くテーマを選択
- Park et al., “Recording and Sharing Non-Visible Information on Body Movement while
Skateboarding”, CHI 2017
スケボーに圧力センサーを取り付け、デッキに加わっている力を可視化。
• スノーボード用のデバイスを転用。
• スノボーで需要があるならスケボーでも需要があることを見越してテーマを選択?
- Kacorri et al., “People with Visual Impairment Training Personal Object Recognizers:
Feasibility and Challenges”, CHI 2017
視覚障害を持つ人が使用するための物体認識アルゴリズムを実装。
• 本人(盲目)が撮影した画像を用いて転移学習
• 評価は一般の物体認識アルゴリズムと比較
- 精度が向上することは最初からほぼ自明?
ユーザースタディー
被験者の人数は少なくても大丈夫だが分析は徹底的に行う
• Jamieson et al., “ForgetMeNot: Active Reminder Entry Support for Adults with
Acquired Brain Injury”, CHI 2017
• Park et al., “Recording and Sharing Non-Visible Information on Body Movement while
Skateboarding”, CHI 2017
• Kacorri et al., “People with Visual Impairment Training Personal Object Recognizers:
Feasibility and Challenges”, CHI 2017
- 全てユーザースタディーの被験者は僅か3~10名程度
• 被験者並びに内容の説明はしっかりと書く
- 結果の分析は徹底的に(上記の論文は内容の約1/3を当てている)
• ほぼ自明に思われる点も気づきとしてしっかりと主張
• よかった点のみでは無く、良くなかった点や改善点も述べる
• インタビューの結果やユーザーのコメントを引用
論文の見てくれ
• “おしゃれ”な論文もちらほら
– 「やった」感が伝わる絵
• 医者などの専門家とのディスカッション作業を
ちょっと載せる
– インタラクションデザインも分野の一つ
– 絵がかわいい
• きれいな見た目は(特にユーザースタディにおいて)重要
IN: Showing People Behind Data: Does Anthropomorphizing Visualizations Elicit More Empathy for Human Rights Data?
IN: Supporting the Self-Management of
Chronic Pain Conditions with Tailored
Momentary Self-Assessments
論文構成
• ユーザー中心のシステム説明・評価に始終
– アブスト
– イントロ
• 意外といろいろな種類がある
– アブストの拡張のみの一般的・シンプルなもの,熱く語っているもの
– システムの説明
• ユーザーがどう使い,ユーザーがどう感じるかが窺い知れるようにする
• 手法の説明は必須ではないし,十分でもない
– 評価
• 実験のプロトコルは明細に書く
• 人数は実験の性質による
– 被験者が集めやすければ多い方がいいし,無理なら深掘り
– 数より深掘り評価(定性的評価)が重視される
論文タイトル
• 分かりやすい,フォーカスに合致しているなら多様
– 長いのもある
• Investigating the Suitability of the Asynchronous, Remote, Community-based
Method for Pregnant and New Mothers
– 短いのもある
• Affective Color in Visualization
– ひねったタイトルの論文もある
• A Critical Lens on Dementia and Design in HCI
– “短文:長文”のフォーマットも多い
• Goodbye Text, Hello Emoji: Mobile Communication on WeChat in China
– 疑問文は多め?
• 問題提起的な論文が好まれるためか?
CHI2017 BestPaperピックアップ
まとめ
Stories from Survivors: Privacy & Security Practices when
Coping with Intimate Partner Abuse
– ここが面白い
虐待などの社会的問題やセキュリティ
問題は, CHIでは重要視されており,
ホットなトピック.
– リンク集
• 論文
• 親密な人からの虐待を受けた人のセキュリティに関する調査
– 概要
親密な人からの虐待を受けた人が新
しい技術や既存の技術を利用して何
ができるかを技術者が検討できるよう
に, デジタルなプライバシーやセキュリ
ティについて3つのフェーズ(physical
control, escape, life apart)で調査を行
った.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Empowered Participation: Exploring How Citizens Use
Technology in Local Governance
– ここが面白い
3年間というかなり大規模な調査. 本
質的な問題解決になっていなくても,
十分な知見があれば, ベストペーパー
に選ばれる.
– リンク集
• 論文
• ICTが住民自治にどのように影響を与えるかを調査
– 概要
住民が地方自治に参加するために,
オンラインツールをどのように適用す
るかという調査を3年行った. ICTの利
用を通じて, コミュニティが持っている
関心の透明性や住民の自治参加など
に影響をもたらしたが, 本質的な社会
問題を解決するには至らなかった.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Kinecting with Orangutans: Zoo Visitors’ Empathetic
Responses to Animals? Use Interactive Technology
– ここが面白い
Human Computer Interaction な ら ぬ
Animal Computer Interactionを見た人
間がどのような共感を覚えるかという
発想.
– リンク集
• 論文
• デモ
• インタラクティブシステムを使用する動物への人間の共感の調査
– 概要
オランウータン用インタラクティブシス
テムを動物園に設置し, それを使用す
るオランウータンを人間が見て, どの
ような認知的共感, 感情的共感, 運動
的共感を覚えるかを調査した.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Organic Primitives: Synthesis and Design of pH-Reactive Materials
using Molecular I/O for Sensing, Actuation, and Interaction
– ここが面白い
センサやアクチュエータは必ずしも機
械である必要はなく, 有機物などの自
然物を利用してデザインを表現する
方法があるという視点.
– リンク集
• 論文
• デモ
• プロジェクトページ
• 有機化合物をpH値で変化させ, センサ・アクチュエータにする
– 概要
pH値によって匂い, 形状, 色が変化す
る有機化合物をセンサアクチュエータ
にする. Organic Primitivesにより, HCI
分野における入出力デバイスの拡張
した.
Surveyed by Takahiro Itazuri
What Can Be Predicted from Six Seconds of Driver Glances?
– ここが面白い
Computer Vision的なタスクであるが,
視線情報だけから得られる情報だけ
でなく, 得られない情報が何かという
知見が得られた.
– リンク集
• 論文
運転者の視線情報からどんな情報を予測できるのか
– 概要
6秒間の運転者の視線情報(macro-
glance)から, どんな情報が得られるか
を検証するために, 27種類の2クラス
分類問題について分析を行った結果,
5種類の分類問題で, 70.9%~88.3%程
度の精度が得られた. これらの分類
結果を踏まえて, 今後リアルタイム運
転者支援システムの構築を目指す.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Designing Gamified Applications that Make Safe Driving
More Engaging
– ここが面白い
自動運転が騒がれている中で, 割と
現在すでにある問題点に着目してい
る.
– リンク集
• 論文
• 安全運転の実現のために, 運転をゲーミフィケーションする
– 概要
安全運転を促進する運転のゲーミフィ
ケーション方法について経験的調査
を行った. 6つの観点から有効性を議
論し, ゲーミフィケーションのデザイン
方法に関する知見が得られた.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Modelling Learning of New Keyboard Layouts
– ここが面白い
UIの学習のような古くからある問題に
対してもメンションされるべきであれば,
ベストペーパーに選ばれる.
– リンク集
• 論文
• デモ
• 新しいキーボード配置の学習過程のシミュレーションモデル
– 概要
新しいキーボード配置の学習過程を
シミュレーションするために, 視線の遷
移や短期記憶, 長期記憶を考慮した
モデルを提案. ユーザがUIをどのよう
に学習していくかという古くからある問
題に貢献した.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Explaining the Gap: Visualizing One’s Predictions Improves
Recall and Comprehension of Data
– ここが面白い
ただデータを可視化するのではなく,
ユーザに頭を使わせることで, データ
を理解・記憶させる
– リンク集
• 論文
• デモ
• プロジェクトページ
• ユーザの予測の可視化を通してデータの記憶や理解を深める
– 概要
ユーザにデータを推測・説明させ, そ
れに対してフィードバックを与えること
で, ユーザのデータへの理解や記憶
を深めることができるかを調査した.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Supporting Expressive Procedural Art Creation through Direct
Manipulation
– ここが面白い
アーティスト支援ツール系論文の王道
的論文. CHI 2018では, プロシージャ
ルアートと手書きアートの橋渡しをす
るツールで再度Best Paperに選ばれて
いる.
– リンク集
• 論文
• デモ1
• デモ2
• プロジェクトページ
• プロシージャルアートが簡単に始められるツール
– 概要
プログラミングが必要であることがプ
ロシージャルアートを始める障壁なっ
ていることから, 簡単にプロシージャ
ルアートが始められるベクターデザイ
ンツールParaを開発. 簡単なだけでな
く十分な表現力も実現している.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Illumination Aesthetics: Lights as a Creative Material within
Computational Design
– ここが面白い
完成度が製品レベル. 光学シミュレー
ションがあることで希望通りのものを
作ることができる.
– リンク集
• 論文
• デモ
• プロジェクトページ
イルミネーションデザインが容易に可能なツール
– 概要
シミュレーション結果を見ながら, デザ
インをPC上で行い, ファブリケーション
まで行えるイルミネーションデザイン
の総合的システム.
Surveyed by Takahiro Itazuri
MakerWear: A Tangible Approach to Interactive Wearable
Creation for Children
– ここが面白い
作成した子供たち向けのキットのワー
クショップを通して, 年齢別の子供の
教育に関する視点から調査した.
– リンク集
• 論文
• デモ
• プロジェクトページ
• 差し込んですぐに遊べるウェアラブルガジェット作成キット
– 概要
プログラミングや回路, はんだづけな
どの知識がない子供たちでも簡単に
ウェアラブルガジェットを作成すること
ができる. 子供たちが「何を作ったの
か」「どのような問題に直面したのか」
という点に関して調査を行った.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Fingertip Tactile Devices for Virtual Object Manipulation and
Exploration
– ここが面白い
VR空間における仮想物体とのインタ
ラクションはホットな話題. 従来とは異
なり, 様々な物理的感覚を与えること
が可能であり, かさばらないシステム
設計.
– リンク集
• 論文
• デモ
VRのよりリアルな触覚フィードバックを与えるシステム
– 概要
2つの3自由度の指先触覚デバイスを
開発し, 仮想物体とのインタラクション
をより高度にした. 重さや硬さ, 摩擦な
どを指先に変形を加えることで感じる
ことができるようになった.
Surveyed by Takahiro Itazuri
ShareVR: Enabling Co-Located Experiences for Virtual
Reality between HMD and Non-HMD Users
– ここが面白い
VR空間はHMDを付けている人だけ
のものではないという発想.
– リンク集
• 論文
• デモ1
• デモ2
• プロジェクトページ
• HMDを付けていない人もVRを楽しめるプラットフォーム開発
– 概要
2つのプロジェクターとモバイルディス
プレイを組み合わせて, HMDを付け
ていない人がVR空間とインタラクショ
ンできるプラットフォームShareVRを開
発.
Surveyed by Takahiro Itazuri
CHI2018 BestPaperまとめ
CHI2018ベストペーパー総括
• CHIでBestPaperを取る方法
– Research Questionを「特に」はっきりさせる
– Research Questionが「特に」ナウい
– スピード感がすごい(年内のネタを出す勢いを持たないとダメ)
– (コミュニティに対する)絶対的な目新しさ
– 突飛ではない
» 先に行き過ぎるとダメ
– 言われてみれば、そうだな感
– 既出ネタはありえない
» ドライビングネタはBP選外
– カテゴリ分けしてみた
• 社会学系:9件,技術的調査系:7件,ツール提案系:8件,その他:1件
– 社会学系は国連SDGsの意識が強そう
– おそらく、ナウさを出すための手段
– テクニカルなものは特に完成度が高くないといけない(製品レベル)
– 論文力高い系も存在?
HARK No More: On the Preregistration of CHI Experiments
– ここが面白い
実験から得られる経験的知見を蓄積
しているCHIとしては, 取り組むべき問
題であり, これまで避けられてきた問
題に触れている.
– リンク集
• 論文
• HARKの根絶のためのCHIにおける実験の事前登録制度の検討
– 概要
HARK(Hypothesis After the Results
are Known:結果が得られた後に立て
られた仮説)を防ぐための実験の事前
登録制度について検討した. ACMや
研究者, ジャーナルや会議ができるこ
とは何か, 事前登録による弊害は何
かという点についても議論した.
Surveyed by Takahiro Itazuri
“A Stalker’s Paradise”: How Intimate Partner Abusers Exploit
Technology
– ここが面白い
• 今まで徹底的な調査は行われていな
かったので,徹底的にやった.社会学
的にこれほど大量の分析をするのは
多大な労力を払う必要がある.
• IPVの視点においては新たなUIデザイ
ンが必要である.
– 補足情報(リンクとか)
論文
http://www.nixdell.com/papers/stalkers-paradise-
intimate.pdf
• 親密なパートナー虐待者はテクノロジーをどう利用するか?
– 概要
IPV(DVの対象が非同居に拡張版)では,
情報技術を使った虐待をすることがある.
携帯にスパイツールを入れるのが代表例.
インタビュー含む約1000件の大量なデー
タを収集,社会学的手法(Transcription:
文章書き起こしなど)により詳細に分析し,
IPVと技術の関係を明らかにする.
最終的に,IPVに使える余地のないUI設
計について議論する.
– 情報技術絡みのIPVの例
・アカウントは共有・使わせない・パスワー
ド強奪・パスワードロック・スパイツール入
れる・アプリ利用履歴・IPV証拠消し・いや
がらせメッセージ(実名・匿名・集団)・家族
に繋がっていやがらせ・性的嗜好公開・な
りすましアカウント作成・・・
– 知見
・対IPVにパスワードは無意味.
・ギークな技術を必要とせず,一般人が通
常のUIにより可能であるハッキング的行
為が用いられている.
Let’s Talk About Race: Identity, Chatbots, and AI
– ここが面白い
• 人間が忌避する社会的マナーに,AI
によって切り込むという挑戦的な課題
設定
• AIと倫理の壁を乗り越える道筋を見せ
たという,人間-AIインタラクションへの
貢献
– 補足情報(リンクとか)
論文
https://www.microsoft.com/en-
us/research/publication/project-zanzibar-portable-
flexible-tangible-interaction-platform/
動画
https://www.youtube.com/watch?v=4Gl6iaVXZu0
• 人間はAIと人種トークができるようになるのか?
– 概要
チャットボット(AI)と人種について,自然
言語データにどのようなバイアスがあるの
かや,会話することが難しいことについて
考察,議論する.
最終的に,どのような手法でチャットボット
は人種トークを扱えるようになるのかを示
す.
人種トーク例
Gender Recognition or Gender Reductionism? The Social
Implications of Automatic Gender Recognition
– ここが面白い
• 流行かつ科学に対し示唆的
• 先導している基礎研究界隈がわかっ
ちゃいるけど触れ(られ)ない領域に着
手
– 補足情報(リンクとか)
ACM DL
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3173582
論文
https://stacybranham.files.wordpress.com/2018/01/g
ender-recognition-or-gender-
reductionism_cameraready.pdf
• 流行の性別認識に関する提言
– 概要
CV認識技術の高まりによって性別認識が
広く行われるようになったが,それは性の
多様性を否定するのではないだろうか?
被験者の情報.性の多様性がうかがえる.
Keeping a Low Profile?: Technology, Risk and Privacy
among Undocumented Immigrants
– ここが面白い
• 社会学的にプロパーな調査.
• 社会要請に沿った時事ネタ系研究テ
ーマ(トランプ大統領の国境の壁発
言) .
– 補足情報(リンクとか)
ACM DL
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3173688
• 身分証の無い移民のICT利用について調査
– 概要
身分証の無い移民はプライバシー侵害や
監視などから自己を守るためにどうICTを
利用しているかを17人に聞き取り調査.
直接テーマに触れず,ICT利用について
の調査といい,聞き取りの中でプライバシ
ー侵害などについてどう思っているか聞き
だした.
– 結果
自分を守るためには使わず,利益があれ
ば使うという程度.ID盗難やプライバシー
侵害を不安視している.政府からどれだ
け監視されているかよく分からないからと
諦めモード.
Design Within a Patriarchal Society: Opportunities and
Challenges in Designing for Rural Women in Bangladesh
– ここが面白い
• 大変得難い調査データ
– 補足情報(リンクとか)
ACM DL
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3174110
論文
http://www.nixdell.com/papers/patriarchal.pdf
• 父権制における農村女性におけるデザインを考える
– 概要
貧困層の男性主権家庭の女性とテクノロ
ジーの関わりについて調査する.富裕層
においてできたHCIが受け入れられるの
か,テクノロジーの導入についてどう考え
ているのか,貧困におけるデザインとは何
か.
この調査を通じて,複雑かつ変化する状
況におけるデザインの在り方について考
える.
Making as Expression: Informing Design with People with
Complex Communication Needs through Art Therapy
– ここが面白い
• 個性とインタラクションに関する検討た
りうる
• 消極性・積極性に関するインタラクショ
ン
• コンピュータ成分がなさそうに見える
– 補足情報(リンクとか)
論文
people.dbmi.columbia.edu/~olm7003/papers/pn4957
-hwangA.pdf
動画
https://www.youtube.com/watch?v=-jubohMc4HA
• 消極的な人の目を向けるには?>アートセラピーを調査
– 概要
病気や障害で消極的になりがちな人々に
個々に対応するのは実際難しいが,アー
トセラピーにおいてどう協調的にできるか
調査.
From Her Story, to Our Story: Digital Storytelling as Public
Engagement around Abortion Rights Advocacy in Ireland
– ここが面白い
人権などの社会的な問題に対しての
取り組みが存在するのは非常にCHI
らしさがある. 社会問題系の論文は参
考文献が多い(本論文は85本).
– リンク集
• 論文
• オンラインストーリーテリングによる妊娠中絶の認識変化の調査
– 概要
妊娠中絶が法的に禁止されている国
で, オンラインストーリーテリングを通
して, 妊娠中絶に関する認識への影
響や社会の変化について調査した.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Making Core Memory: Design Inquiry into Gendered
Legacies of Engineering and Craftwork
– ここが面白い
• 手芸エンジニアリング
• 注目されず失われた知識の再発見
• テクノロジーの能力の限界を探るので
はなく,テクノロジーの能力を作り上げ
た歴史にフォーカスするという視点
– 補足情報(リンクとか)
ACM DL
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3174105
論文
https://faculty.washington.edu/dkrosner/files/CHI-
2018-Core-Memory.pdf
プロジェクト
http://faculty.washington.edu/dkrosner/corememory/i
ndex.html
• エンジニアリングと手芸を組み合わせ,ジェンダーや歴史を物語る
– 概要
メモリは手作業で作っていた.手作業とい
えば手芸.手芸ドリブンでメモリを“織る”と
何が起こる?
エンジニアリングにおいてかつて行われて
いた手作業により,失われたエンジニアリ
ングの発祥におけるフェミニズム,知識を
再発見する.
Streets for People: Engaging Children in Placemaking
Through a Socio-technical Process
– ここが面白い
• ツールを使って世代間・立場間のバリ
アを低減し,うまく議論できることを示
している.
特に子供のアイデアを引き出し,活用
することに成功している.
– 補足情報(リンクとか)
論文
people.dbmi.columbia.edu/~olm7003/papers/pn4957
-hwangA.pdf
動画
https://www.youtube.com/watch?v=-jubohMc4HA
• こども都市問題解決
– 概要
ツールを活用しつつ,こども,住民,自治
体が一体となって都市問題解決を行う方
策を提案.
・シチュエーション設定しておいて,さんぽ
withスマホで探索・証拠集め.
・問題を地図に置き.コミュニケーションツ
ールで1:1議論.
・最後に対面で議論.
Examining Wikipedia With a Broader Lens: Quantifying the Value of
Wikipedia’s Relationship with Other Large-Scale Online Communities
– ここが面白い
Wikipediaのようなピア・プロダクトが
他の大規模オンラインコミュニティに
大きな貢献が与えていることが実証さ
れた.
– リンク集
• 論文
• 著者ページ
• Wikipediaと大規模オンラインコミュニティとの関係の調査
– 概要
Google検索とWikipediaの密接な関係
を 示 し た 先 行 研 究 を 受 け て ,
Wikipediaと大規模オンラインコミュニ
ティの間にどのような関係があるのか
を調査した. 調査の結果, Wikipediaか
ら大規模オンラインコミュニティへの
貢献は見られたが, その逆は見られ
なかった.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Voice Interfaces in Everyday Life
– ここが面白い
音声認識精度などが注目されがちで
ある一方で, 日常における音声ユー
ザインターフェースの経験的な使用に
関する知見があまりないことに着目し
た.
– リンク集
• 論文
• 音声ユーザインターフェースの日常的な使用に関する調査
– 概要
日常生活における音声ユーザインタ
ーフェースがどのように使われている
かを調査した論文. 調査を通じて, 音
声ユーザインターフェースがどのよう
にデザインされるべきかなどを議論し
た.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Hoarding and Minimalism: Tendencies in Digital Data
Preservation
– ここが面白い
データの扱い方は, 時代とテクノロジ
ーに沿って変遷していくものなので,
CHIとしては価値のある経験的知見.
– リンク集
• 論文
• デモ
• 著者ページ
• クラウドの時代におけるデータの保管の仕方に関する調査
– 概要
クラウドに大量にデータを保存できる
現代において人々がどのようにデー
タを管理しているのかを調査した. 調
査の結果, 少しでも価値があれば残し
ておくHoardingグループと, できるだけ
データを少なくしておくMinimalismグ
ループという極端な2つのグループに
分かれた.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Semi-Automated Coding for Qualitative Research: A User-
Centered Inquiry and Initial Prototypes
– ここが面白い
• これは研究者が欲しいと思う情報.
– 補足情報(リンクとか)
ACM DL
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3173922
• 文章化・アノテーションの完全自動化は研究者にとって良い?
– 概要
定性評価を行う研究者はデータコーディン
グに多大な労力を払っている.これの自
動化は本当に完全にやるべきか,あるい
は部分的に自動化したほうが良いのか?
研究者にインタビューし,分析してみた.
そして,知見をもとにNLPベースのプロトタ
イプを作ってみた.入力に作ってあるコー
ドブックと未処理のトランスクリプトを取り,
アノテーション済結果を出力する.
また,コーディング種別で比較し,効果に
ついて検討する.
– 知見
• 適したアノテーション事例に従って
いる
• 部分的に完成したコードブックを作
ってから,他のデータに対して自動
化するのがいいと思っている
• レコメンデーションしてくれるよう
なツールを求めている
Addressing Age-Related Bias in Sentiment Analysis
– ここが面白い
• 流行の手法の問題点を流行の手法で
分析
– 補足情報(リンクとか)
ACM DL
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3174110
論文
http://www.nixdell.com/papers/patriarchal.pdf
GloVe: Global Vectors for Word Representation
※word2vec類似の,単語共起表現をベクトル表現す
るための手法
https://nlp.stanford.edu/projects/glove/
• 感情分析における年齢バイアスを考える
– 概要
人工知能界隈では感情分析はトレンドの
一つであるが,感情分析には必ずバイア
スが存在する.そのうち,年齢バイアスに
ついて調査する.
年齢に関するタームを15の感情分析モデ
ル,10のGloVe Embeddingsで分析,学習
データ生成の枠組みでバイアスを軽減す
る試み.それぞれのモデルの特性につい
ても議論.
How Relevant are Incidental Power Poses for HCI?
– ここが面白い
• 身体性と人間心理 x HCI
• UIで↑を制御する方法論が見える
– 補足情報(リンクとか)
ACM DL
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3173784
動画
https://www.youtube.com/watch?v=q-eQfTNVCCo
• HCIで特定のポーズを取らされると人の行動は変わる?
– 概要
“Expansive pose(広げる感じのポーズ)”
はホルモンレベルを変化させ,冒険的な
行動を増加させることが知られている.
環境に誘導・強制されてその姿勢が取ら
された場合(Incidentally expansive pose),
正直でない行動が増加することも知られ
ている.
テーブルトップ型,壁型UIでIncidental
power poseを実現した場合,どうなるかを
調べた.
テーブル型
壁型
constructive pose expansive pose
Experiencing the Body as Play
– ここが面白い
• この視点で真面目にまとめた論文は
たぶんない
• おそらく業界では自社ノウハウとしてコ
ツコツ貯めていたと思われるポイント
だが,研究の視点からガイドラインを
示した.
– 補足情報(リンクとか)
ACM DL
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3173784
• 身体利用ゲームを推進する一手
– 概要
身体を使ったゲーム・HCIのまとめ.
ゲーム研究がキーボード利用から身体利
用に変遷していることを示し,いくつかの
事例からデザイナーに対して身体利用デ
ザインのポイントを示す.
Design for Collaborative Survival: An Inquiry into Human-
Fungi Relationships
– ここが面白い
• パワーワードのオンパレード
• このネタでBP取る論文力が凄そう
– 補足情報(リンクとか)
ACM DL
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3173614
プロジェクトページ
http://unstable.design/design-for-collaborative-
survival/
• キノコを探して協働的サバイバル
– 概要
協働的サバイバルを提案.
3つのギアで人間と菌類の関係を強化
する.
地面湿度測定グローブ
- engagement (環境の物理的体験を共有)
キノコの位置を振動で感じるIoTベスト
- attunement (非人間の息吹を感じる)
キノコ検出歩行杖
- expansion (自然-文化の境界をぼかす)
Project Zanzibar: A Portable and Flexible Tangible Interaction
Platform
– ここが面白い
• 巻いて畳める
• 定位精度も十分アプリケーションに使
える程度
• ほぼ製品
– 補足情報(リンクとか)
論文
https://www.microsoft.com/en-
us/research/publication/project-zanzibar-portable-
flexible-tangible-interaction-platform/
動画
https://www.youtube.com/watch?v=4Gl6iaVXZu0
• タンジブルインタラクションできて畳めるマット by MSR
– 概要
NFCタグを読み取れ,タッチインタラクショ
ンも可能なフレキシブルマットを提案.
NFCアンテナを縦横グリッドに配置して
NFCタグの位置を読み取り,静電容量式
タッチセンサでタッチ&ホバーをセンシン
グ.
NFCアンテナ,タッチセンサのデータを組
み合わせてそれぞれを追跡する.
Wall++: Room-Scale Interactive and Context-Aware Sensing
– ここが面白い
壁というどこにでもあるものをスマート
にするという発想. Disneyはこの研究
を何に応用するのかは謎である.
– リンク集
• 論文
• デモ1
• デモ2
• プロジェクトページ
• 壁をセンシング可能なインフラにする
– 概要
世の中に溢れている壁をセンシング
やインタラクションが可能なインフラに
する方法を提案. 壁との接触位置推
定, 壁付近のユーザの姿勢推定, 部
屋の中のどの家電が作動しているか
などを検出可能
Surveyed by Takahiro Itazuri
Pinpointing: Precise Head- and Eye-Based Target Selection
for Augmented Reality
– ここが面白い
高精度なポインティング手法の提案
だけではなく, それに適したメニューを
表示するアプリ(GazeBrowser)や, 視
線のキャリブレーションがオンラインで
きるアプリ(SmartPupil)も作っている.
– リンク集
• 論文
• デモ1
• デモ2
• ウェアラブルARにおける高精度なポインティング手法の提案
– 概要
視線や頭の動きで大まかな位置を決
定し, 手の動きやポインティングデバ
イス等で細かく修正する方法で, 高精
度なポインティング手法を提案.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Agile 3D Sketching with Air Scaffolding
– ここが面白い
デザイン支援系の論文の王道的論文.
実用的であり, 製品レベルの完成度.
– リンク集
• 論文
• デモ1
• デモ2
• プロジェクト
• Hand motionとPen drawingによる高速な3Dスケッチツール
– 概要
Hand motionで大雑把な3D形状を描
き, Pen drawingで細かな形状を描くこ
とで高速に3Dスケッチが可能なシス
テムを開発.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Data Illustrator: Augmenting Vector Design Tools with Lazy
Data Binding for Expressive Visualization Authoring
– ここが面白い
グラフィックデザインの視点から設計
しており, 実用的であり, 製品レベル.
– リンク集
• 論文
• デモ1
• デモ2
• プロジェクトページ
• アプリページ
• プログラミング要らずの超簡単な可視化ツール
– 概要
lazy data bindingを利用して, プログラ
ミングをせずに超簡単に可視化が可
能なツールData Illustratorを開発. 実
際にアプリとして公開.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Expressive Time Series Querying with Human-Drawn Scale-
Free Sketching
– ここが面白い
人間の感性的な入力にも対応できて
おり, query-by-sketchな時系列データ
検索ではDTWよりかなり良さそう. 開
発もCHIの王道的なプロセスである.
– リンク集
• 論文
• デモ
• スケールフリーな手書き入力による時系列データ検索システム
– 概要
クエリの長さや振幅を指定せずにス
ケールフリーなキャンバスにクエリ入
力をすることで, 時系列データ検索が
可能なシステムQetchを開発. クラウド
スタディから得られた「人がどのように
時系列データをスケッチするか」という
知見に基づいてアルゴリズムを設計
した.
Surveyed by Takahiro Itazuri
Extending Manual Drawing Practices with Artist-Centric
Programming Tools
– ここが面白い
昨年度もプロシージャルアートの敷居
を下げる論文でベストペーパーを取っ
ている.
– リンク集
• 論文
• デモ
• プロジェクトページ
• プロシージャルアートと手書きアートを同時に実現するツール
– 概要
プロシージャルアートと手書きアート
の間のギャップの橋渡しをするツール
Dynamic Brushesを開発. PC上でビジ
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Surveyed by Takahiro Itazuri

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ThemeStudy ― CHI2017-2018分析 + CHI2018速報

  • 1. ThemeStudy CHI2017-2018分析 + CHI2018速報 2018.5.2 cvpaper.challenge 鈴木 亮太,福原 吉博 板摺 貴大,山本 晋太郎 HomePage: http://hirokatsukataoka.net/project/cc/index_cvpaperchallenge.html 論文まとめスライド: https://cvpaperchallenge.github.io/cvpaper.challenge/
  • 4. 調査目的 • コンピュータビジョン(CV)研究者がCHIに論文を通すには? • • 研究者にとって,新たな視点の創出の上で異分野の学会に発表することは重 要です.しかし,同時に該当分野の研究者にインパクトを与えうる論文作成のノウ ハウを得にくく,バリアがあるのも実情です. • 昨今のCV分野では,深層学習が隆盛し,物体認識・検出・セグメンテーションと いったCVのあらゆるタスクに対する技術が大きく高度化しています.このような成 熟したCV技術のアプリケーション先として,ヒューマン・コンピュータ・インタラクシ ョン(HCI,人とコンピュータのコミュニケーション)は,人の行動を詳細に計測可能 なCVと親和性が高く,CV研究者も活躍できる分野であると考えます. • HCIのトップカンファレンスであるCHIに論文を通す方法を模索すべく,CV研究 に造詣のあるcvpaper.challengeのメンバーが,CV研究者の視点からCHIの論文 を読み,その特徴をピックアップしました.
  • 5. 目次 1. CHI基礎知識 2. CHI2017論文ピックアップ 3. CHI2017総論 4. CHI2017気づいたこと 5. CHI2017ベストペーパーピックアップまとめ 6. CHI2018速報 – CHI2018ベストペーパー総論 – CHI2018ベストペーパー論文まとめ
  • 7. CHI(かい)? • インタラクション系のトップカンファレンス – The ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systems • 名前はヒューマンファクター.Human-Computer Interactionの学会 • 多分野に手を広げ,トップカンファレンス化 • ACM SIGCHI(さいはい しぐかい)の主催 • Special Interesting Group on Computer-Human Interaction • Japan Boardもある • 2017年は600本 – 採択率20%強
  • 8. • Games and Play • Design • Interaction Techniques, Devices and Modalities • Understanding People: Theory, Concepts, Methods • Engineering Interactive Systems and Technologies CHIの守備範囲 • Human-Computer Interaction, Diversity – “CHI is a place where researchers and practitioners gather from across the world to discuss the latest in interactive technology” - CHI2018 – “The open exchange of ideas and the freedom of thought and expression are central” - CHI2017 – HCIなら何でも! – 査読時に選べるSubcommittee • User Experience and Usability • Specific Application Areas • Health, Accessibility and Aging • Privacy, Security and Visualization • Interaction Beyond the Individual
  • 9. 発表区分 – Paper, Note, LBW, Video, Demo – Paper, Note • Paper:通常.最大10ページ • Note:よりContribution(提案の重要性,分野への貢献度)に重点を置いた,Paperと 同レベルのカテゴリ.最大4ページ>CHI2018では廃止,4ページのPaperを許可す ることに – LBW (Late Breaking Work) • いわゆるWork in progress,ポスター – Video • ビデオのみ発表 – Interactivity • デモ発表 • Paperでも同時発表可能(むしろ推奨)
  • 10. 査読 – 3人以上のレビュワー • 投稿時に選択した2つのSubcomitteeの中から選出 – Desk Rejectionもある • HCIについてのコントリビューションにフォーカスしてない – UIだけどHCIとして評価してない,とか • 論文としてちゃんと書いてない – 必要な実験をしてない/書いてない,構成が汚い… subcomittee paper paper paper reviewer reviewer reviewer reviewer reviewer reviewer reviewer reviewer reviewer SIGCHI 選定
  • 11. スケジュール(CHI2017の場合) – All deadlines are at 20:00 EDT/EST on the date shown. – Submission deadline: September 14, 2016. Title, abstract, authors, subcommittee choices, and other metadata. – Materials upload deadline: September 21, 2016. – Reviews sent to authors: November 18, 2016. – Rebuttal period closes: November 23, 2016. – Decision notification: December 12, 2016. – Reviews released: December 14, 2016. – Camera-ready papers due: January 6, 2017. – Video Previews deadline: January 13, 2017.
  • 13. Scalable Annotation of Fine-Grained Categories Without Experts • 第4著者にLi Fei-Fei (第1著者はアフロの人) – ここが面白い 人工物のカテゴリ名が必ずしも見た目に 依存していないことから、見た目ベースの カテゴライズに変換する必要があるという 問題提起。 arXivに上がっている(これはOK?) – 補足情報(リンクとか) 論文 https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3025930 著者ホームページ http://ai.stanford.edu/~tgebru/ 動画 https://www.youtube.com/watch?v=YLnVnvk-OtA – 概要 見た目ベースのきめ細かいカテゴライズ をクラウドソーシングで行う論文。 テキストベースの情報から作成したグラフ 元に、クラウドソーシングを利用して、見た 目ベースのカテゴライズを行う。
  • 14. What Can Be Predicted from Six Seconds of Driver Glances? – ここが面白い 著者は機械学習の研究をしている。 CV分野では識別したい対象があってそれ に対する手法を提案するのに対し、識別 対象そのものを調査するという研究。 – 補足情報(リンクとか) 著者のホームページ http://lexfridman.com/ 発表動画 https://www.youtube.com/watch?v=FKRuxvm6Hl A • CVにおける問題を調べるタイプの論文 – 概要 ドライバーの視線動画から検出可能なも のを調べる論文。 ラジオの調整、疲労、ウインカー忘れや会 話などの検出精度が高いことが明らかに なった。
  • 15. Interactive Vectorization – ここが面白い 注目すべきポイント CV・IPなどの精度至上主義の分野ではベ ストペーパーにはならものを、CHIでベスト ペーパーにしている論文。 ユーザスタディの評価方法 初心者 using 提案システム vs 専門家 using 既存商用システム – 補足情報(リンクとか) 論文 https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3025872 著者ホームページ http://www.clairexie.org/ 動画 https://www.youtube.com/watch?v=0_Tf3lzc8pc • 手法はIP・評価はHCIなベストペーパー – 概要 ラスタ画像入力をインタラクティブに ベクタ画像化する手法。 初心者でも短時間でベクタ画像を作成でき る。
  • 16. People with Visual Impairment Training Personal Object Recognizers: Feasibility and Challenges – ここが面白い 本人(盲目)が撮影した画像群を学習して いるため、一般の物体認識よりも精度が 向上するのはほぼ自明。(確実に良い結 果が出ることを見越してテーマを選んでい ると思われる。) – 補足情報(リンクとか) 論文 https://www.cs.cmu.edu/~jbigham/pubs/pdfs/2017/ personal-object-recognizers.pdf 著者のホームページ https://terpconnect.umd.edu/~hernisa/ • テーマがローカルな(ターゲットが狭い)論文 – 概要 視覚障害を持つ人が使用するための物体 認識アルゴリズムを実装。視覚障害者自 身がが撮影した画像を用いて転移学習。 15クラスの分類問題で既存の一般物体認 識手法よりも高精度を達成。
  • 17. Monster Appetite: Effects of Subversive Framing on Nutritional Choices in a Digital Game Environment – ここが面白い • いじわる的表現で関心を下げる(ネガ ティブフレーミング)という視点 • 肝であったネガティブ表現の有効性は 否定されてしまったが,通っている. • 万人受けを狙ったUIによる文化差の 低減 – 補足情報(リンクとか) 論文 people.dbmi.columbia.edu/~olm7003/papers/pn4957 -hwangA.pdf 動画 https://www.youtube.com/watch?v=-jubohMc4HA • 実践的なUI,結果が悪くても通っている論文 – 概要 健康な食事を選ぶ訓練のためのゲーミン グツール.悪い食事にはネガティブな表現 をつけて(キャラクターの肌色が悪くなる) ,悪い食事を選ばないように仕向ける.
  • 19. 他分野研究者も,CHIを研究しよう • 論文を通すノウハウが詰まっている!? – 数字で語れないContributionの主張,Issueの重視 • 新手法提案>数値改善 は絶対視されない • 数値に表せない分,評価の妥当性の主張が難しい!! – 新たな知見を生む実験方法・分析 • CHIに通る研究は実験のやり方がうまい – 時には失敗談も • 論文構成が素晴らしい? – その時々で十分成熟した技術を使って,HCI研究 • 枯れた技術の水平思考 • 新視点の開拓の訓練になる
  • 20. CHIの特徴 • ユーザースタディがメジャー – 「新しい発見」「面白い発見」にフォーカス • Interesting + Funny,見た目の面白さも重要 • 人間行動のモデル化といったContributionもある – サーベイの重要性 • 広範囲な分野でのサーベイが有効 – 心理学とか – 「常に変化する物の一点を観察」「変化しにくい物を観察」 • 市場調査(前者)がメジャーとみられる向きがあるらしい • 追調査しにくいもの(時事ネタ等)も多い
  • 21. CHI2017まとめポイント • CV研究者から見たCHI,CV研究者がCHIに通すには? メンバーがそれぞれ以下の観点について論文を読み, まとめました. – CV x CHI – ベストペーパーを取る方法 – ローカル(ターゲットの狭い)論文まとめ – 結果が悪い系論文まとめ
  • 22. 視点1: CV×CHI マインドは異なるがCV研究者も出して通せる - CHIでは手法自体に新規性があるものが少ない - CV→DNNばかり : CHI→SVMなど以前から使われていた手法 - CV→提案手法の優位性を示す : CHI→実験から何か発見をする - 評価方法の違い - CV→精度比較重視 : CHI→ユーザースタディが多い - arXiv - 基本的にarXivには上がらない - CVやMLの研究者には上げてる人がいる模様 (e.g. F〇i-Fe〇, Li)
  • 23. 視点2: ローカルな (ターゲットの狭い) 研究 実用性に説得力が持たせられるテーマの選択が重要 - ターゲットが狭い代わりに問題設定は比較的明確(単純?) - 既存の問題を対象としているものが多い - 対象が広い一般の問題に対して、特定の領域で解決法を提案 - 結果が確実によくなる領域を上手く選択? - 問題は既存でも、実用性や解決法の新規性を主張する(評価は定性的 なものが多い) - ユーザースタディーは少人数でも大丈夫(5 ~ 15人程度) - 特に心理・医療系は3人程度でも可 - 対象や実験の方法は詳細に書く - 結果の分析はしっかりと行う必要がある
  • 24. 視点3: ベストペーパーを取る方法 今後のCHIの研究する人が読むべき論文にする 以下の4つのうち少なくとも1つは満たしていなければならない - 堅実さ - 技術的な貢献がある - 意外性 - 誰も思いつかなかったアイデアと妥当性の評価がある - 見た目の良さ - デモのクオリティが高い - 評価もしっかりしている - 今後の研究の方向性の提唱 - 現在の研究への警笛を鳴らす - まだ未開な分野の方向性を決める
  • 25. 視点4: 結果が悪い論文 • 視点の面白さ+有用な評価があるかが高評価 – 結果が分かりやすい • 結果自体が分かりやすい研究ネタ • 結果をわかりやすく書く – 例)節タイトル=結果サマリ – 上手く悪い結果を隠している!? • フォーカスを悪い結果からずらして(特にHF方面に),かつ強烈に主張? – (あれば)コンテンツをちゃんと作ったことも重要 • これに対する弱点があれば,その考察をちゃんとやる – 知見について,明確に書く – 将来展望を明確に書く • こうすれば絶対うまくいくだろう,までの展望の考察が必要?
  • 27. 目的の違い • CHIでは実験から新たな発見を目的とする – 同じ著者が異なる学会で発表した研究との比較 Fridman et al., “What Can Be Predicted from 6 seconds of Driver Glances?”CHI 2017 概要 -ドライバーの視線映像から予測可能な 情報 を調査する研究 目的 -視線映像と相関がある情報は何か調べる =ある手法を用いて解決可能な問題を調査 精度 -他の手法を使うことで精度は向上可能 (ベ ストではない)と認める Fdidman et al., “Driver Frustration Detection from Audio and Video in the Wild” IJCAI 2016 概要 -ドライバーのフラストレーションを検出 する研 究 目的 -フラストレーションの検出精度を向上する =問題があってそれを解決する方法を提案 精度 -具体的な数字を示すことで精度をアピール
  • 28. 評価方法 • ユーザースタディによる評価が多く取り入れられている – Ilisescu et al., “Responsive Action-based Video Synthesis,” CHI2017 概要:アクション(キーボードのタイピングなど)に対応した動画を合成する 評価方法: • 既存手法との比較 • 他のツール(e.g. AfterEffects)とのユーザーの作業時間の比較 • アーティストにシステムを紹介し,コメントをもらう – Higuchiet al., “EgoScanning: Quickly Scanning First-Person Videos with Egocentric Elastic Timelines,” CHI2017 概要:一人称視点動画から特定のシーン(動いている、人が写っているなど)以外を早送りする 評価方法: • ユーザーにタスク(特定のシーンを探すなど)を与え,作業時間やアンケートで評価
  • 29. テーマの選択 • 結果がよくなる様に上手くテーマを選択 - Park et al., “Recording and Sharing Non-Visible Information on Body Movement while Skateboarding”, CHI 2017 スケボーに圧力センサーを取り付け、デッキに加わっている力を可視化。 • スノーボード用のデバイスを転用。 • スノボーで需要があるならスケボーでも需要があることを見越してテーマを選択? - Kacorri et al., “People with Visual Impairment Training Personal Object Recognizers: Feasibility and Challenges”, CHI 2017 視覚障害を持つ人が使用するための物体認識アルゴリズムを実装。 • 本人(盲目)が撮影した画像を用いて転移学習 • 評価は一般の物体認識アルゴリズムと比較 - 精度が向上することは最初からほぼ自明?
  • 30. ユーザースタディー 被験者の人数は少なくても大丈夫だが分析は徹底的に行う • Jamieson et al., “ForgetMeNot: Active Reminder Entry Support for Adults with Acquired Brain Injury”, CHI 2017 • Park et al., “Recording and Sharing Non-Visible Information on Body Movement while Skateboarding”, CHI 2017 • Kacorri et al., “People with Visual Impairment Training Personal Object Recognizers: Feasibility and Challenges”, CHI 2017 - 全てユーザースタディーの被験者は僅か3~10名程度 • 被験者並びに内容の説明はしっかりと書く - 結果の分析は徹底的に(上記の論文は内容の約1/3を当てている) • ほぼ自明に思われる点も気づきとしてしっかりと主張 • よかった点のみでは無く、良くなかった点や改善点も述べる • インタビューの結果やユーザーのコメントを引用
  • 31. 論文の見てくれ • “おしゃれ”な論文もちらほら – 「やった」感が伝わる絵 • 医者などの専門家とのディスカッション作業を ちょっと載せる – インタラクションデザインも分野の一つ – 絵がかわいい • きれいな見た目は(特にユーザースタディにおいて)重要 IN: Showing People Behind Data: Does Anthropomorphizing Visualizations Elicit More Empathy for Human Rights Data? IN: Supporting the Self-Management of Chronic Pain Conditions with Tailored Momentary Self-Assessments
  • 32. 論文構成 • ユーザー中心のシステム説明・評価に始終 – アブスト – イントロ • 意外といろいろな種類がある – アブストの拡張のみの一般的・シンプルなもの,熱く語っているもの – システムの説明 • ユーザーがどう使い,ユーザーがどう感じるかが窺い知れるようにする • 手法の説明は必須ではないし,十分でもない – 評価 • 実験のプロトコルは明細に書く • 人数は実験の性質による – 被験者が集めやすければ多い方がいいし,無理なら深掘り – 数より深掘り評価(定性的評価)が重視される
  • 33. 論文タイトル • 分かりやすい,フォーカスに合致しているなら多様 – 長いのもある • Investigating the Suitability of the Asynchronous, Remote, Community-based Method for Pregnant and New Mothers – 短いのもある • Affective Color in Visualization – ひねったタイトルの論文もある • A Critical Lens on Dementia and Design in HCI – “短文:長文”のフォーマットも多い • Goodbye Text, Hello Emoji: Mobile Communication on WeChat in China – 疑問文は多め? • 問題提起的な論文が好まれるためか?
  • 35. Stories from Survivors: Privacy & Security Practices when Coping with Intimate Partner Abuse – ここが面白い 虐待などの社会的問題やセキュリティ 問題は, CHIでは重要視されており, ホットなトピック. – リンク集 • 論文 • 親密な人からの虐待を受けた人のセキュリティに関する調査 – 概要 親密な人からの虐待を受けた人が新 しい技術や既存の技術を利用して何 ができるかを技術者が検討できるよう に, デジタルなプライバシーやセキュリ ティについて3つのフェーズ(physical control, escape, life apart)で調査を行 った. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 36. Empowered Participation: Exploring How Citizens Use Technology in Local Governance – ここが面白い 3年間というかなり大規模な調査. 本 質的な問題解決になっていなくても, 十分な知見があれば, ベストペーパー に選ばれる. – リンク集 • 論文 • ICTが住民自治にどのように影響を与えるかを調査 – 概要 住民が地方自治に参加するために, オンラインツールをどのように適用す るかという調査を3年行った. ICTの利 用を通じて, コミュニティが持っている 関心の透明性や住民の自治参加など に影響をもたらしたが, 本質的な社会 問題を解決するには至らなかった. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 37. Kinecting with Orangutans: Zoo Visitors’ Empathetic Responses to Animals? Use Interactive Technology – ここが面白い Human Computer Interaction な ら ぬ Animal Computer Interactionを見た人 間がどのような共感を覚えるかという 発想. – リンク集 • 論文 • デモ • インタラクティブシステムを使用する動物への人間の共感の調査 – 概要 オランウータン用インタラクティブシス テムを動物園に設置し, それを使用す るオランウータンを人間が見て, どの ような認知的共感, 感情的共感, 運動 的共感を覚えるかを調査した. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 38. Organic Primitives: Synthesis and Design of pH-Reactive Materials using Molecular I/O for Sensing, Actuation, and Interaction – ここが面白い センサやアクチュエータは必ずしも機 械である必要はなく, 有機物などの自 然物を利用してデザインを表現する 方法があるという視点. – リンク集 • 論文 • デモ • プロジェクトページ • 有機化合物をpH値で変化させ, センサ・アクチュエータにする – 概要 pH値によって匂い, 形状, 色が変化す る有機化合物をセンサアクチュエータ にする. Organic Primitivesにより, HCI 分野における入出力デバイスの拡張 した. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 39. What Can Be Predicted from Six Seconds of Driver Glances? – ここが面白い Computer Vision的なタスクであるが, 視線情報だけから得られる情報だけ でなく, 得られない情報が何かという 知見が得られた. – リンク集 • 論文 運転者の視線情報からどんな情報を予測できるのか – 概要 6秒間の運転者の視線情報(macro- glance)から, どんな情報が得られるか を検証するために, 27種類の2クラス 分類問題について分析を行った結果, 5種類の分類問題で, 70.9%~88.3%程 度の精度が得られた. これらの分類 結果を踏まえて, 今後リアルタイム運 転者支援システムの構築を目指す. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 40. Designing Gamified Applications that Make Safe Driving More Engaging – ここが面白い 自動運転が騒がれている中で, 割と 現在すでにある問題点に着目してい る. – リンク集 • 論文 • 安全運転の実現のために, 運転をゲーミフィケーションする – 概要 安全運転を促進する運転のゲーミフィ ケーション方法について経験的調査 を行った. 6つの観点から有効性を議 論し, ゲーミフィケーションのデザイン 方法に関する知見が得られた. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 41. Modelling Learning of New Keyboard Layouts – ここが面白い UIの学習のような古くからある問題に 対してもメンションされるべきであれば, ベストペーパーに選ばれる. – リンク集 • 論文 • デモ • 新しいキーボード配置の学習過程のシミュレーションモデル – 概要 新しいキーボード配置の学習過程を シミュレーションするために, 視線の遷 移や短期記憶, 長期記憶を考慮した モデルを提案. ユーザがUIをどのよう に学習していくかという古くからある問 題に貢献した. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 42. Explaining the Gap: Visualizing One’s Predictions Improves Recall and Comprehension of Data – ここが面白い ただデータを可視化するのではなく, ユーザに頭を使わせることで, データ を理解・記憶させる – リンク集 • 論文 • デモ • プロジェクトページ • ユーザの予測の可視化を通してデータの記憶や理解を深める – 概要 ユーザにデータを推測・説明させ, そ れに対してフィードバックを与えること で, ユーザのデータへの理解や記憶 を深めることができるかを調査した. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 43. Supporting Expressive Procedural Art Creation through Direct Manipulation – ここが面白い アーティスト支援ツール系論文の王道 的論文. CHI 2018では, プロシージャ ルアートと手書きアートの橋渡しをす るツールで再度Best Paperに選ばれて いる. – リンク集 • 論文 • デモ1 • デモ2 • プロジェクトページ • プロシージャルアートが簡単に始められるツール – 概要 プログラミングが必要であることがプ ロシージャルアートを始める障壁なっ ていることから, 簡単にプロシージャ ルアートが始められるベクターデザイ ンツールParaを開発. 簡単なだけでな く十分な表現力も実現している. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 44. Illumination Aesthetics: Lights as a Creative Material within Computational Design – ここが面白い 完成度が製品レベル. 光学シミュレー ションがあることで希望通りのものを 作ることができる. – リンク集 • 論文 • デモ • プロジェクトページ イルミネーションデザインが容易に可能なツール – 概要 シミュレーション結果を見ながら, デザ インをPC上で行い, ファブリケーション まで行えるイルミネーションデザイン の総合的システム. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 45. MakerWear: A Tangible Approach to Interactive Wearable Creation for Children – ここが面白い 作成した子供たち向けのキットのワー クショップを通して, 年齢別の子供の 教育に関する視点から調査した. – リンク集 • 論文 • デモ • プロジェクトページ • 差し込んですぐに遊べるウェアラブルガジェット作成キット – 概要 プログラミングや回路, はんだづけな どの知識がない子供たちでも簡単に ウェアラブルガジェットを作成すること ができる. 子供たちが「何を作ったの か」「どのような問題に直面したのか」 という点に関して調査を行った. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 46. Fingertip Tactile Devices for Virtual Object Manipulation and Exploration – ここが面白い VR空間における仮想物体とのインタ ラクションはホットな話題. 従来とは異 なり, 様々な物理的感覚を与えること が可能であり, かさばらないシステム 設計. – リンク集 • 論文 • デモ VRのよりリアルな触覚フィードバックを与えるシステム – 概要 2つの3自由度の指先触覚デバイスを 開発し, 仮想物体とのインタラクション をより高度にした. 重さや硬さ, 摩擦な どを指先に変形を加えることで感じる ことができるようになった. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 47. ShareVR: Enabling Co-Located Experiences for Virtual Reality between HMD and Non-HMD Users – ここが面白い VR空間はHMDを付けている人だけ のものではないという発想. – リンク集 • 論文 • デモ1 • デモ2 • プロジェクトページ • HMDを付けていない人もVRを楽しめるプラットフォーム開発 – 概要 2つのプロジェクターとモバイルディス プレイを組み合わせて, HMDを付け ていない人がVR空間とインタラクショ ンできるプラットフォームShareVRを開 発. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 49. CHI2018ベストペーパー総括 • CHIでBestPaperを取る方法 – Research Questionを「特に」はっきりさせる – Research Questionが「特に」ナウい – スピード感がすごい(年内のネタを出す勢いを持たないとダメ) – (コミュニティに対する)絶対的な目新しさ – 突飛ではない » 先に行き過ぎるとダメ – 言われてみれば、そうだな感 – 既出ネタはありえない » ドライビングネタはBP選外 – カテゴリ分けしてみた • 社会学系:9件,技術的調査系:7件,ツール提案系:8件,その他:1件 – 社会学系は国連SDGsの意識が強そう – おそらく、ナウさを出すための手段 – テクニカルなものは特に完成度が高くないといけない(製品レベル) – 論文力高い系も存在?
  • 50. HARK No More: On the Preregistration of CHI Experiments – ここが面白い 実験から得られる経験的知見を蓄積 しているCHIとしては, 取り組むべき問 題であり, これまで避けられてきた問 題に触れている. – リンク集 • 論文 • HARKの根絶のためのCHIにおける実験の事前登録制度の検討 – 概要 HARK(Hypothesis After the Results are Known:結果が得られた後に立て られた仮説)を防ぐための実験の事前 登録制度について検討した. ACMや 研究者, ジャーナルや会議ができるこ とは何か, 事前登録による弊害は何 かという点についても議論した. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 51. “A Stalker’s Paradise”: How Intimate Partner Abusers Exploit Technology – ここが面白い • 今まで徹底的な調査は行われていな かったので,徹底的にやった.社会学 的にこれほど大量の分析をするのは 多大な労力を払う必要がある. • IPVの視点においては新たなUIデザイ ンが必要である. – 補足情報(リンクとか) 論文 http://www.nixdell.com/papers/stalkers-paradise- intimate.pdf • 親密なパートナー虐待者はテクノロジーをどう利用するか? – 概要 IPV(DVの対象が非同居に拡張版)では, 情報技術を使った虐待をすることがある. 携帯にスパイツールを入れるのが代表例. インタビュー含む約1000件の大量なデー タを収集,社会学的手法(Transcription: 文章書き起こしなど)により詳細に分析し, IPVと技術の関係を明らかにする. 最終的に,IPVに使える余地のないUI設 計について議論する. – 情報技術絡みのIPVの例 ・アカウントは共有・使わせない・パスワー ド強奪・パスワードロック・スパイツール入 れる・アプリ利用履歴・IPV証拠消し・いや がらせメッセージ(実名・匿名・集団)・家族 に繋がっていやがらせ・性的嗜好公開・な りすましアカウント作成・・・ – 知見 ・対IPVにパスワードは無意味. ・ギークな技術を必要とせず,一般人が通 常のUIにより可能であるハッキング的行 為が用いられている.
  • 52. Let’s Talk About Race: Identity, Chatbots, and AI – ここが面白い • 人間が忌避する社会的マナーに,AI によって切り込むという挑戦的な課題 設定 • AIと倫理の壁を乗り越える道筋を見せ たという,人間-AIインタラクションへの 貢献 – 補足情報(リンクとか) 論文 https://www.microsoft.com/en- us/research/publication/project-zanzibar-portable- flexible-tangible-interaction-platform/ 動画 https://www.youtube.com/watch?v=4Gl6iaVXZu0 • 人間はAIと人種トークができるようになるのか? – 概要 チャットボット(AI)と人種について,自然 言語データにどのようなバイアスがあるの かや,会話することが難しいことについて 考察,議論する. 最終的に,どのような手法でチャットボット は人種トークを扱えるようになるのかを示 す. 人種トーク例
  • 53. Gender Recognition or Gender Reductionism? The Social Implications of Automatic Gender Recognition – ここが面白い • 流行かつ科学に対し示唆的 • 先導している基礎研究界隈がわかっ ちゃいるけど触れ(られ)ない領域に着 手 – 補足情報(リンクとか) ACM DL https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3173582 論文 https://stacybranham.files.wordpress.com/2018/01/g ender-recognition-or-gender- reductionism_cameraready.pdf • 流行の性別認識に関する提言 – 概要 CV認識技術の高まりによって性別認識が 広く行われるようになったが,それは性の 多様性を否定するのではないだろうか? 被験者の情報.性の多様性がうかがえる.
  • 54. Keeping a Low Profile?: Technology, Risk and Privacy among Undocumented Immigrants – ここが面白い • 社会学的にプロパーな調査. • 社会要請に沿った時事ネタ系研究テ ーマ(トランプ大統領の国境の壁発 言) . – 補足情報(リンクとか) ACM DL https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3173688 • 身分証の無い移民のICT利用について調査 – 概要 身分証の無い移民はプライバシー侵害や 監視などから自己を守るためにどうICTを 利用しているかを17人に聞き取り調査. 直接テーマに触れず,ICT利用について の調査といい,聞き取りの中でプライバシ ー侵害などについてどう思っているか聞き だした. – 結果 自分を守るためには使わず,利益があれ ば使うという程度.ID盗難やプライバシー 侵害を不安視している.政府からどれだ け監視されているかよく分からないからと 諦めモード.
  • 55. Design Within a Patriarchal Society: Opportunities and Challenges in Designing for Rural Women in Bangladesh – ここが面白い • 大変得難い調査データ – 補足情報(リンクとか) ACM DL https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3174110 論文 http://www.nixdell.com/papers/patriarchal.pdf • 父権制における農村女性におけるデザインを考える – 概要 貧困層の男性主権家庭の女性とテクノロ ジーの関わりについて調査する.富裕層 においてできたHCIが受け入れられるの か,テクノロジーの導入についてどう考え ているのか,貧困におけるデザインとは何 か. この調査を通じて,複雑かつ変化する状 況におけるデザインの在り方について考 える.
  • 56. Making as Expression: Informing Design with People with Complex Communication Needs through Art Therapy – ここが面白い • 個性とインタラクションに関する検討た りうる • 消極性・積極性に関するインタラクショ ン • コンピュータ成分がなさそうに見える – 補足情報(リンクとか) 論文 people.dbmi.columbia.edu/~olm7003/papers/pn4957 -hwangA.pdf 動画 https://www.youtube.com/watch?v=-jubohMc4HA • 消極的な人の目を向けるには?>アートセラピーを調査 – 概要 病気や障害で消極的になりがちな人々に 個々に対応するのは実際難しいが,アー トセラピーにおいてどう協調的にできるか 調査.
  • 57. From Her Story, to Our Story: Digital Storytelling as Public Engagement around Abortion Rights Advocacy in Ireland – ここが面白い 人権などの社会的な問題に対しての 取り組みが存在するのは非常にCHI らしさがある. 社会問題系の論文は参 考文献が多い(本論文は85本). – リンク集 • 論文 • オンラインストーリーテリングによる妊娠中絶の認識変化の調査 – 概要 妊娠中絶が法的に禁止されている国 で, オンラインストーリーテリングを通 して, 妊娠中絶に関する認識への影 響や社会の変化について調査した. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 58. Making Core Memory: Design Inquiry into Gendered Legacies of Engineering and Craftwork – ここが面白い • 手芸エンジニアリング • 注目されず失われた知識の再発見 • テクノロジーの能力の限界を探るので はなく,テクノロジーの能力を作り上げ た歴史にフォーカスするという視点 – 補足情報(リンクとか) ACM DL https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3174105 論文 https://faculty.washington.edu/dkrosner/files/CHI- 2018-Core-Memory.pdf プロジェクト http://faculty.washington.edu/dkrosner/corememory/i ndex.html • エンジニアリングと手芸を組み合わせ,ジェンダーや歴史を物語る – 概要 メモリは手作業で作っていた.手作業とい えば手芸.手芸ドリブンでメモリを“織る”と 何が起こる? エンジニアリングにおいてかつて行われて いた手作業により,失われたエンジニアリ ングの発祥におけるフェミニズム,知識を 再発見する.
  • 59. Streets for People: Engaging Children in Placemaking Through a Socio-technical Process – ここが面白い • ツールを使って世代間・立場間のバリ アを低減し,うまく議論できることを示 している. 特に子供のアイデアを引き出し,活用 することに成功している. – 補足情報(リンクとか) 論文 people.dbmi.columbia.edu/~olm7003/papers/pn4957 -hwangA.pdf 動画 https://www.youtube.com/watch?v=-jubohMc4HA • こども都市問題解決 – 概要 ツールを活用しつつ,こども,住民,自治 体が一体となって都市問題解決を行う方 策を提案. ・シチュエーション設定しておいて,さんぽ withスマホで探索・証拠集め. ・問題を地図に置き.コミュニケーションツ ールで1:1議論. ・最後に対面で議論.
  • 60. Examining Wikipedia With a Broader Lens: Quantifying the Value of Wikipedia’s Relationship with Other Large-Scale Online Communities – ここが面白い Wikipediaのようなピア・プロダクトが 他の大規模オンラインコミュニティに 大きな貢献が与えていることが実証さ れた. – リンク集 • 論文 • 著者ページ • Wikipediaと大規模オンラインコミュニティとの関係の調査 – 概要 Google検索とWikipediaの密接な関係 を 示 し た 先 行 研 究 を 受 け て , Wikipediaと大規模オンラインコミュニ ティの間にどのような関係があるのか を調査した. 調査の結果, Wikipediaか ら大規模オンラインコミュニティへの 貢献は見られたが, その逆は見られ なかった. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 61. Voice Interfaces in Everyday Life – ここが面白い 音声認識精度などが注目されがちで ある一方で, 日常における音声ユー ザインターフェースの経験的な使用に 関する知見があまりないことに着目し た. – リンク集 • 論文 • 音声ユーザインターフェースの日常的な使用に関する調査 – 概要 日常生活における音声ユーザインタ ーフェースがどのように使われている かを調査した論文. 調査を通じて, 音 声ユーザインターフェースがどのよう にデザインされるべきかなどを議論し た. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 62. Hoarding and Minimalism: Tendencies in Digital Data Preservation – ここが面白い データの扱い方は, 時代とテクノロジ ーに沿って変遷していくものなので, CHIとしては価値のある経験的知見. – リンク集 • 論文 • デモ • 著者ページ • クラウドの時代におけるデータの保管の仕方に関する調査 – 概要 クラウドに大量にデータを保存できる 現代において人々がどのようにデー タを管理しているのかを調査した. 調 査の結果, 少しでも価値があれば残し ておくHoardingグループと, できるだけ データを少なくしておくMinimalismグ ループという極端な2つのグループに 分かれた. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 63. Semi-Automated Coding for Qualitative Research: A User- Centered Inquiry and Initial Prototypes – ここが面白い • これは研究者が欲しいと思う情報. – 補足情報(リンクとか) ACM DL https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3173922 • 文章化・アノテーションの完全自動化は研究者にとって良い? – 概要 定性評価を行う研究者はデータコーディン グに多大な労力を払っている.これの自 動化は本当に完全にやるべきか,あるい は部分的に自動化したほうが良いのか? 研究者にインタビューし,分析してみた. そして,知見をもとにNLPベースのプロトタ イプを作ってみた.入力に作ってあるコー ドブックと未処理のトランスクリプトを取り, アノテーション済結果を出力する. また,コーディング種別で比較し,効果に ついて検討する. – 知見 • 適したアノテーション事例に従って いる • 部分的に完成したコードブックを作 ってから,他のデータに対して自動 化するのがいいと思っている • レコメンデーションしてくれるよう なツールを求めている
  • 64. Addressing Age-Related Bias in Sentiment Analysis – ここが面白い • 流行の手法の問題点を流行の手法で 分析 – 補足情報(リンクとか) ACM DL https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3174110 論文 http://www.nixdell.com/papers/patriarchal.pdf GloVe: Global Vectors for Word Representation ※word2vec類似の,単語共起表現をベクトル表現す るための手法 https://nlp.stanford.edu/projects/glove/ • 感情分析における年齢バイアスを考える – 概要 人工知能界隈では感情分析はトレンドの 一つであるが,感情分析には必ずバイア スが存在する.そのうち,年齢バイアスに ついて調査する. 年齢に関するタームを15の感情分析モデ ル,10のGloVe Embeddingsで分析,学習 データ生成の枠組みでバイアスを軽減す る試み.それぞれのモデルの特性につい ても議論.
  • 65. How Relevant are Incidental Power Poses for HCI? – ここが面白い • 身体性と人間心理 x HCI • UIで↑を制御する方法論が見える – 補足情報(リンクとか) ACM DL https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3173784 動画 https://www.youtube.com/watch?v=q-eQfTNVCCo • HCIで特定のポーズを取らされると人の行動は変わる? – 概要 “Expansive pose(広げる感じのポーズ)” はホルモンレベルを変化させ,冒険的な 行動を増加させることが知られている. 環境に誘導・強制されてその姿勢が取ら された場合(Incidentally expansive pose), 正直でない行動が増加することも知られ ている. テーブルトップ型,壁型UIでIncidental power poseを実現した場合,どうなるかを 調べた. テーブル型 壁型 constructive pose expansive pose
  • 66. Experiencing the Body as Play – ここが面白い • この視点で真面目にまとめた論文は たぶんない • おそらく業界では自社ノウハウとしてコ ツコツ貯めていたと思われるポイント だが,研究の視点からガイドラインを 示した. – 補足情報(リンクとか) ACM DL https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3173784 • 身体利用ゲームを推進する一手 – 概要 身体を使ったゲーム・HCIのまとめ. ゲーム研究がキーボード利用から身体利 用に変遷していることを示し,いくつかの 事例からデザイナーに対して身体利用デ ザインのポイントを示す.
  • 67. Design for Collaborative Survival: An Inquiry into Human- Fungi Relationships – ここが面白い • パワーワードのオンパレード • このネタでBP取る論文力が凄そう – 補足情報(リンクとか) ACM DL https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3173614 プロジェクトページ http://unstable.design/design-for-collaborative- survival/ • キノコを探して協働的サバイバル – 概要 協働的サバイバルを提案. 3つのギアで人間と菌類の関係を強化 する. 地面湿度測定グローブ - engagement (環境の物理的体験を共有) キノコの位置を振動で感じるIoTベスト - attunement (非人間の息吹を感じる) キノコ検出歩行杖 - expansion (自然-文化の境界をぼかす)
  • 68. Project Zanzibar: A Portable and Flexible Tangible Interaction Platform – ここが面白い • 巻いて畳める • 定位精度も十分アプリケーションに使 える程度 • ほぼ製品 – 補足情報(リンクとか) 論文 https://www.microsoft.com/en- us/research/publication/project-zanzibar-portable- flexible-tangible-interaction-platform/ 動画 https://www.youtube.com/watch?v=4Gl6iaVXZu0 • タンジブルインタラクションできて畳めるマット by MSR – 概要 NFCタグを読み取れ,タッチインタラクショ ンも可能なフレキシブルマットを提案. NFCアンテナを縦横グリッドに配置して NFCタグの位置を読み取り,静電容量式 タッチセンサでタッチ&ホバーをセンシン グ. NFCアンテナ,タッチセンサのデータを組 み合わせてそれぞれを追跡する.
  • 69. Wall++: Room-Scale Interactive and Context-Aware Sensing – ここが面白い 壁というどこにでもあるものをスマート にするという発想. Disneyはこの研究 を何に応用するのかは謎である. – リンク集 • 論文 • デモ1 • デモ2 • プロジェクトページ • 壁をセンシング可能なインフラにする – 概要 世の中に溢れている壁をセンシング やインタラクションが可能なインフラに する方法を提案. 壁との接触位置推 定, 壁付近のユーザの姿勢推定, 部 屋の中のどの家電が作動しているか などを検出可能 Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 70. Pinpointing: Precise Head- and Eye-Based Target Selection for Augmented Reality – ここが面白い 高精度なポインティング手法の提案 だけではなく, それに適したメニューを 表示するアプリ(GazeBrowser)や, 視 線のキャリブレーションがオンラインで きるアプリ(SmartPupil)も作っている. – リンク集 • 論文 • デモ1 • デモ2 • ウェアラブルARにおける高精度なポインティング手法の提案 – 概要 視線や頭の動きで大まかな位置を決 定し, 手の動きやポインティングデバ イス等で細かく修正する方法で, 高精 度なポインティング手法を提案. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 71. Agile 3D Sketching with Air Scaffolding – ここが面白い デザイン支援系の論文の王道的論文. 実用的であり, 製品レベルの完成度. – リンク集 • 論文 • デモ1 • デモ2 • プロジェクト • Hand motionとPen drawingによる高速な3Dスケッチツール – 概要 Hand motionで大雑把な3D形状を描 き, Pen drawingで細かな形状を描くこ とで高速に3Dスケッチが可能なシス テムを開発. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 72. Data Illustrator: Augmenting Vector Design Tools with Lazy Data Binding for Expressive Visualization Authoring – ここが面白い グラフィックデザインの視点から設計 しており, 実用的であり, 製品レベル. – リンク集 • 論文 • デモ1 • デモ2 • プロジェクトページ • アプリページ • プログラミング要らずの超簡単な可視化ツール – 概要 lazy data bindingを利用して, プログラ ミングをせずに超簡単に可視化が可 能なツールData Illustratorを開発. 実 際にアプリとして公開. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 73. Expressive Time Series Querying with Human-Drawn Scale- Free Sketching – ここが面白い 人間の感性的な入力にも対応できて おり, query-by-sketchな時系列データ 検索ではDTWよりかなり良さそう. 開 発もCHIの王道的なプロセスである. – リンク集 • 論文 • デモ • スケールフリーな手書き入力による時系列データ検索システム – 概要 クエリの長さや振幅を指定せずにス ケールフリーなキャンバスにクエリ入 力をすることで, 時系列データ検索が 可能なシステムQetchを開発. クラウド スタディから得られた「人がどのように 時系列データをスケッチするか」という 知見に基づいてアルゴリズムを設計 した. Surveyed by Takahiro Itazuri
  • 74. Extending Manual Drawing Practices with Artist-Centric Programming Tools – ここが面白い 昨年度もプロシージャルアートの敷居 を下げる論文でベストペーパーを取っ ている. – リンク集 • 論文 • デモ • プロジェクトページ • プロシージャルアートと手書きアートを同時に実現するツール – 概要 プロシージャルアートと手書きアート の間のギャップの橋渡しをするツール Dynamic Brushesを開発. PC上でビジ ュアルプログラミングを行い, タブレッ ト上で手書きで創作を行う. Surveyed by Takahiro Itazuri