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神奈川の県立図書館を考える会第3次政策提言「神奈川県立川崎図書館の抜本的再整備」
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神奈川の県立図書館を考える会による第3次政策提言です。
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神奈川の県立図書館を考える会第3次政策提言「神奈川県立川崎図書館の抜本的再整備」
1.
1 2015 年 6
月 22 日 神奈川の県立図書館の今後にご関心を持つすべての方々へ 神奈川の県立図書館を考える会 第三次政策提言 「神奈川県立川崎図書館の抜本的再整備」 【趣意】 2012 年秋に神奈川県が「神奈川県緊急財政対策」を発表し、その一環として神奈川県立 の 2 つの図書館のあり方に関する議論が広く喚起されました。その後、県民市民の声、新聞 各紙による報道、県議会議員による議会質問等を経て、2013 年 12 月に黒岩祐治・神奈川県 知事や神奈川県庁によって、神奈川県立図書館について、 1.横浜(紅葉ヶ丘):建て替えを視野に入れた再整備 2.川崎:かながわサイエンスパーク(KSP)(神奈川県川崎市高津区)への移転 という方針が示されました。 当初案にこだわらず、県民市民の声や報道・議会の指摘に耳を傾け、よりよいあり方を模 索する知事と県庁の姿勢には敬意を表し、また感謝します。 さて、その後、神奈川県立図書館(横浜:紅葉ヶ丘)については、2015 年度に調査費が 計上され、すでに民間事業者の選定も済み、施設面での拡充の検討が進められています。神 奈川県立図書館は、施設面での拡充とともに、今後の社会変動に対応できるよう、第一次提 言でも言及した機能面での拡充も検討する必要があると考えます。他方、神奈川県立川崎図 書館については、かながわサイエンスパーク(KSP)では決して大規模施設ではない現行の 川崎図書館の規模すら大きく下回る敷地しか確保できない公算が高く、「科学と産業の情報 ライブラリー」として国内外から高く評価されてきた機能が損なわれる可能性を私どもは 指摘してきました。しかし、依然として神奈川県の方針は明確とは言い難い状況にあります。 そこで神奈川県知事と神奈川県議会の改選(2015 年 4 月)を受け、また現在開催中の神 奈川県議会第 2 回定例会、2015 年 9 月に始まる第 3 回定例会を見据えて、私どもは川崎図 書館の再整備のあり方を三たび、提言します。先に発表した政策提言「民間からの政策提言 -これからの県立図書館像」(2013 年 6 月)、第二次政策提言「神奈川の県立図書館の再整 備における用地選定」(2014 年 6 月)とあわせて、ご高覧いただけますと幸いです。 黒岩知事、並びに神奈川県庁には、引き続き対話的な姿勢を堅持しつつ、より一層、県民 及び関係者に対して情報開示と説明を行っていただき、県民市民と協働して県政にあたっ ていただくことをあらためて要望します。
2.
2 【概要】 本提言は、 1.かながわサイエンスパーク(KSP)を前提とした移転案への懸念を表明し、 2.現在地を含め、新たな用地確保を図ったうえで、川崎図書館を抜本的に再整備すること を提言するものです。本提言は対話のための提言であり、提言内容をもって、本会の最終見 解とするものではありません。本案を一つのたたき台として、よりよい政策形成がなされる ことを期待しています。 ※本案については、便宜上第三次提言と称します。また、2013 年 6
月に発表した政策提言「民間からの政策提言-これ からの県立図書館像」を第一次提言と称します。2014 年 6 月に発表した政策提言「神奈川の県立図書館の再整備におけ る用地選定」を第二次提言と称します。なお、内容的に両提言間に食い違いがある際は、第三次提言の内容を優先しま す。 神奈川県立川崎図書館の抜本的再整備 <基本的な考え方> 神奈川県が神奈川県立川崎図書館の再整備方針としてかながわサイエンスパーク(KSP) への移転を示していますが、この方針の詳細が一向に明らかにならないなか、大きな懸念が 生まれてきています。この懸念は端的には施設規模の面から発生しています。現在の神奈川 県立川崎図書館は約 3550 平米の延床面積を有しています。しかし、移転先候補として挙げ られているかながわサイエンスパーク(KSP)には、私どもの調査ではこの面積を満たす空 き空間は存在しません。この事実から恐れるのは、かながわサイエンスパーク(KSP)への 移転によって、現在の神奈川県立川崎図書館が事実上解体され、一部の蔵書と機能がかなが わサイエンスパーク(KSP)へ、一部の蔵書と機能が神奈川県立図書館(紅葉ヶ丘)へと分 割・分散され、基礎科学から応用科学まで、さらには科学教育から企業史研究までを包括的 に一ヶ所で行えるという「科学と産業の情報ライブラリー」という特性が失われることです。 第一次提言、第二次提言でも繰り返し指摘してきたように、神奈川県立川崎図書館は現行 の形態であることによって、文化政策だけでなく経済政策、産業政策の面でも大きな役割を 果たしてきました。万一、かながわサイエンスパーク(KSP)への移転によって、この一体 的な機能が損なわれるのであれば、それは「金の卵を産むがちょう」を殺すという結果にな るのではないでしょうか。 以上の前提に立ち、本会では次に挙げる複数の抜本的な再整備案を提言します。 <抜本的な再整備案> 1. 川崎市との協働に基づく川崎市富士見地区での再整備: 現在、神奈川県立川崎図書館が立地する川崎市の富士見地区では、富士見周辺地区整備に 取り組んでいます。「富士見周辺地区整備基本計画に基づく整備の考え方(改訂版)」によれ
3.
3 ば、すでに計画は実施段階に進みつつあります。しかし、同時に川崎市は上記の考え方のな かで、「県立川崎図書館については、本基本計画に基づく整備と連携が図れるよう県と調整 を図っていきます」としており、県市協働の可能性が排除されているわけではありません。 川崎市はかねてより、緊急財政対策以前から「県の予算編成に対する要望書」において、神 奈川県立川崎図書館の川崎市内での機能存続を強く希望する旨を表明しています。 以上のような背景や、これまで神奈川県立川崎図書館が富士見地区に存在してきたこと を考えると、神奈川県と川崎市の協働によって、いまからでも富士見地区での神奈川県立川 崎図書館の抜本的な再整備を検討するべきではないでしょうか。 なお、川崎市が政令指定都市になる前から、川崎県立図書館が存在し、各区 1 館体制の川 崎市立川崎図書館ができるまで、神奈川県立川崎図書館が地元の図書館としての役割も果 たしてきました。基礎自治体の住民サービスは県の直接的な役割ではないとはいえ、神奈川 県立川崎図書館がいまなお地域においては地元の図書館としても親しまれていることを軽 視すべきではないと考えます。 なお、参考として第二次提言において示した川崎市幸区鹿島田地区での再整備案も付記 しておきます。 川崎市幸区鹿島田地区: 特に
JR 新川崎駅周辺が候補地として最適な場所の一つと考えます。同地区は近 年成長が著しい武蔵小杉地区と現在の川崎図書館が立地する川崎駅周辺地区との 間にあり、JR 横須賀線・南武線・湘南新宿ラインが通る交通至便の場所となりま す。別途、紅葉ヶ丘における提言でふれているように、将来的には相鉄線と JR 線、東急東横線との直通が実現すると、県央部からのアクセスも向上します。近 隣には企業施設が点在するほか、ビジネス支援・産業支援という面での川崎図書 館の重要な利用者である神奈川県資料室研究会の企業・団体会員にとっても利便 性が損なわれません。 2. 組織運営のあり方を見直したうえでの再整備 これは神奈川県立川崎図書館の組織運営を現在の神奈川県教育委員会の直営体制から変 更することを一つの可能性として示すものです。たとえば、神奈川県では、新たなイノベー ション創出支援機関の創出を図る事業が進められています。この事業では、公益財団法人神 奈川科学技術アカデミー(KAST)(川崎市高津区、川崎市川崎区に拠点所在)と神奈川県 産業技術センター(神奈川県海老名市、横浜市中区、横浜市神奈川区に拠点所在)を一体化 させ、地方独立行政法人として新たなイノベーション創出支援機関の創出にあたるという 方向性で検討が進められていると聞いています。 この新たなイノベーション創出支援機関に、神奈川県立川崎図書館が参画して、「科学と 産業の情報ライブラリー」としての機能をより有効に発揮していくということも一つの可 能性として考えられるのではないでしょうか。このような方式をとることで、柔軟かつ大胆 な政策や人事が行えるようになり、産業創出や産業支援、知的財産の活用等が、神奈川県立
4.
4 図書館が築き上げてきた情報資産と一体的に活用されるようになります。この方策をとる ことで、私どもが第二次提言で示した「世界基準のサイエンス・産業支援ライブラリー」の 実現も可能となるはずです。 なお、上記両案はこれまで検討されていない可能性ではあるものの、同時にあくまで一つ の可能性に過ぎません。検討の大きな前提として、現在の神奈川県立川崎図書館が立地する 川崎市と十分な協議を行うことをあわせて提言します。川崎市は県立図書館の市内での存 続を要望しており、本件に関するもっとも重要な利害関係者であると考えます。 以上。 参考:神奈川の県立図書館を考える会 本会のあらまし 神奈川の県立図書館を考える会は、2012 年 11
月 8 日(木)に、主宰者である岡本真(企 業経営者)の呼び掛けに寄り発足しました。 呼びかけは、主にインターネットのソーシャルネットワーキングサービス Facebook 上で 行われ、当初段階で約 150 名が、現段階では約 270 名が参加しています。 会としては、厳密な会則等は設けず、参加者各自が社会的な地位に左右されることなく、 対等な議論を行うように努めて、毎月定例会を開催するほか、政策提言シンポジウムや政策 検討ワークショップを複数回開催しています。 <主宰者について> 主宰者の岡本真は神奈川県横浜市において、知識・情報の活用に関するコンサルティング やプロデュースを行う企業を経営している者です。ただし、本会の活動はあくまで一県民、 一市民として個人的に行っています。 <関連情報・連絡先> 関連情報: Facebook ページ(広報用)https://www.facebook.com/KanagawaLib Facebook グループ(議論用)https://www.facebook.com/groups/130704170413865/ 連絡先: 〒231-0012 神奈川県横浜市中区相生町 3-61 泰生ビル 2F さくら WORKS<関内> アカデミック・リソース・ガイド株式会社 内 神奈川の県立図書館を考える会 主宰者・岡本真 電話:070-5467-7043 メール:mokamoto@arg-corp.jp なお、ご連絡は極力、メールでお願いいたします。
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